自動車運転者ための「改善基準告示」が見直しへ〜荷主と運送事業者間の認識に差異〜

荷主企業が取り組むべき物流業務改善

物流業界における課題を解決するには、運送事業者のみならず荷主企業による業務改善が必要不可欠です。本資料では、ホワイト物流や傭車管理など荷主側からアプローチできる施策についてご紹介します。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

トラック・バス・タクシーなどのドライバーの長時間労働是正に向けた施策のひとつに「改善基準告示」があります。同告示は、2020年に実施されたドライバーの勤務実態調査を反映し策定されていますが、2022年度の改正に向け、今年も調査票が発送されることが公表されました。

今回は、改善基準告示の変更点とポイント、事業者が行うべき対策についてお伝えします。

 

1.改善基準告示の見直し

過去のCariotブログでもお伝えしましたが、改善基準告示とは、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(大臣告示)を指します。
自動車運転従事者の過労死防止の観点から、拘束時間・休息時間等の基準を定めている同告示の遵守は、ドライバーの雇用と健康を守り、労働条件向上を図るために必要不可欠です。

1-1.改善基準告示を見直す理由

2019年から「働き方改革関連法」が順次施行されました。同法の規定に従い、2024年以降は自動車運転業務の時間外労働が年960時間に規制されます。現在は、改正法施行までの特例期間です。
自動車運転業務の時間外労働の上限は、将来的に一般則(年720時間)の適用を目指していることから、時間外労働のさらなる短縮に向け、審議が継続されています。

今回実施される改善基準告示の見直しは、同法の付帯決議に従い、2024年度までに労働時間の短縮や勤務体系の改善、改善基準告示の見直しが求められていることから実施されるものです。

これらを踏まえ、物流企業・事業者は、2024年度からドライバーの時間外労働短縮に向けた改善策をさらに推進しなければなりません。
同告示に従い対策を講じることで、過労死防止・健康問題の解消に向けた対策は前進します。しかし、勤務時間で給与が支払われるドライバーは、労働時間短縮で収入が減少します。そのため、減収による離職防止策も求められています。
これらの課題を解消するためには、運送事業者が荷主側と交渉を行い、荷待ち時間削減などの業務効率化の他、適正運賃の収受を実現しなければなりません。

以上のことから、運送事業者は自社内の業務効率化と並行して、荷主との具体的な交渉をどのように進めるかが課題となります。

1-2.違反事業者には罰則も

厚生労働省は、働き方改革関連法で規定された時間外労働の上限規制に違反した場合、懲役6月以下または30万円以下の罰金を科す他、悪質と判断された場合は社名の公開という厳しい罰則を設けています。

画像:厚生労働省「改善基準告示の見直しについて(参考資料)

また国土交通省は、改善基準告示において過労死防止の観点から行政処分を強化しています。
処分基準は、1か月の拘束時間及び休日労働の限度に関する違反が1件確認された場合には「10日車」、2件確認された場合には「20日車」の車両停止処分が課されます。

画像:厚生労働省「改善基準告示の見直しについて(参考資料)

1-3.改善基準告示案の変更点とポイント

2021年7月29日に開催された厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会では、2021年10月に実施する2回目の実態調査の内容を決定しました。

現在の改善基準告示は、2020年10月〜12月に実施されたドライバー実態調査を元に見直しを行い策定されており、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症拡大に伴う社会環境の変化による影響は考慮されていませんでした。
そのため、今回の調査ではコロナ禍における自動車運転従事者の拘束時間の変化についての設問などが追加されました。

調査票は2021年10月、第1回調査で回答した事業場の内、257事業場に発送されます。調査結果は2022年の年明けに集約・精査し、2022年12月までに改善基準告示を改正するとしています。

画像:厚生労働省「令和3年度の実態調査について
 

2.事業者が行うべき対策

2-1.業務改善を行う必要性

改善基準告示や関連法の規定・罰則の有無に関わらず、企業・事業所は日頃からドライバーの業務実態を正確に把握し、業務改善策を講じる必要があります。

<業務改善効果の例>

  • 短時間で効率よく働けるようになる
  • 労働生産性向上させることで人手不足をカバーできるようになる
  • 業務内のムダを省き利益率向上が見込める

など

また、システムを活用することでもさまざまな効果を得ることができますが、主な効果とそのために必要なことの例として、以下のものが考えられます。

<業務改善のために必要なこと>

  • 業務効率化:荷待ち時間を正確に把握、付帯業務にかかる時間の把握
  • 経費削減:無駄な走行や燃料費を正確に把握
  • 労働環境の改善:休憩時間の有無を把握、長時間労働の原因を特定

など

業務改善策を実施する際、最も重要なことは、ドライバーの業務を「見える化」し、どこに問題があるのかを正確に把握することです。このためには、車両管理、運行管理などを行うことができるシステムの活用がおすすめです。
また、業務項目ごとにKPIを設定・測定することで達成状況が見えやすくなります。

実施した改善策やその結果は自社だけでなく、社外の関係者と共有することも重要です。そうすることで、関係者間にまたがる問題点や課題、協力すべきポイントが明らかになり、よりスムーズな連携が可能になります。

画像:「荷主と運送事業者の協力による、取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン

2-2.現場の状況把握・改善が難しい理由

運送事業者は、業務効率化の実現に向けた対策を講じていますが、荷主側の理解・協力を得なければ改善できない業務内容も多く、運送事業者だけでは対応が難しいという課題があります。
また、従来の商慣行の枠組みの中で業務を行うと、業務改善に至らないという課題も残されたままです。

これらの状況を改善するため、改善基準同告示には「荷主への勧告制度」が盛り込まれています。

画像:「荷主と運送事業者の協力による、取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン

しかし、2020年に公表された「トラック輸送状況の実態調査」によると、荷主側の半数が荷主勧告制度の内容・存在を知らないと回答しています。

また、「トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン」の認知度では、荷主側の44.9%が存在・内容を知らないと回答し、35.6%が存在は知っているものの内容までは知らないとしています。

さらに、長時間労働の原因として挙げられる荷待ち時間の発生有無について、荷主の6割が「発生していない」と回答し、「発生している」と回答したのは2割にとどまりました。
一方、事業者側は実運送の7割超と元請の5割超が、荷待ち時間は「発生している」と回答しており、荷主と運送事業者間で認識に差があることがわかりました。



画像:国土交通省「トラック輸送状況の実態調査結果(概要版)

関連省庁・業界団体は、運送事業者側は同告示の内容を認識している反面、荷主側の認識が乏しいことが現場の課題解決や業務改善を難しくしている理由のひとつとして挙げており、荷主側企業への周知・啓発活動を続けています。

以上のことから、ドライバーの雇用と健康を守るための体制を実現するためには、荷主側に対し、いかに早く・正確に同告示内容を浸透させるかがカギといえそうです。
 

3.Cariotで実態把握をする

労働時間短縮と生産性向上を同時に実現するためには、業務内の課題を正確に把握しなければなりません。その第一歩が、ドライバーの勤務実態の把握です。

本章では、ドライバーと車両の状況把握に役立つCariotの機能をご紹介します。

■業務実態を正確に把握
・訪問ステータス(モバイルアプリ限定機能)

ドライバーが、いつ・どこに訪問したか、滞在時間はどの程度で、どのような業務を行ったかを記録できる機能です。ドライバーの業務実態を正確に把握できるため、適切な労働環境の整備につながります。

■予実差分の把握/遅延検知
・配送計画

配送計画をCariotの画面上で作成・確認できる機能です。
配送計画に沿って、どこまで配送したかをリアルタイムで確認することができるため、計画と実績の差分が把握できます。
また、配送計画で設定した到着時刻と、走行車両の到着予測時刻を比較し遅延を検知し遅延メールを送信しますので、ドライバーからの連絡を待たずに対策を講じることができます。

配送計画管理画面

遅延メール

■車両の状況と現在地を把握・共有
・DriveCast

本機能で発行できるURLを外部の関係者にあらかじめ知らせておけば、このURLから車両の現在位置の確認ができ、顧客からの「今どこ?」という問い合わせを減らすことができます。ドライバーに電話をかける必要がなくなるので、双方の手間を省けます。

2021年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱」では、物流業界が直面する課題に対応するため、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる推進が掲げられました。
関連省庁は、DX推進に向けたIT導入補助金税制優遇策を整備し、DXを後押ししています。

モビリティ業務最適化クラウドCariotは、IT導入支援事業者に認定されています。
DXを推進し、業務効率化・生産性向上を進めたい中小企業・小規模事業者の皆様がCariotを導入する際、最大450万円の補助金を受け取ることができます。
この機会にIT導入補助金をご活用いただき、Cariotの導入をご検討ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Cariotを導入して業務の効率化、改善を行った企業様の事例記事もありますので、こちらもぜひご覧ください。



 
 
※本記事の情報、及び画像は、記事作成時点のものです。詳しくは最新の情報をご確認ください。

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