企業における環境問題対策〜脱炭素・CO2削減に、いま必要な取り組みとは〜

Cariotを活用した車両管理完全ガイド

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

2020年パリ協定より、地球温暖化・気候変動への対策として「脱炭素」や「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会が増えました。
民間企業において、すでに事業の方向転換や対策を講じている企業もありますが、これから「脱炭素」や「カーボンニュートラル」に向けた取り組みを始める場合、どのような戦略やアプローチを行えばよいのでしょうか。

今回は、脱炭素社会実現に向けた、各企業・事業所に求められている取り組みと、温室効果ガス削減やCO2削減に役立つCariotの機能についてご紹介します。

 

1.地球温暖化や環境問題 日本の取り組み

1-1.脱炭素社会を実現するための「2050年カーボンニュートラル」

現在、世界各国で「脱炭素社会」の実現に向けたさまざまな取り組みが進められています。
2015年に フランス・パリで開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)においては,2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。
日本ではパリ協定に基づき、2020年10月26日に開催された第203回臨時国会の所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル」が宣言され、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という目標が掲げられました。

<「2050年カーボンニュートラル」宣言>

  • 国際的には温暖化対策は経済成長の制約やコストとする時代ではなく「成長の機会」としてとらえる時代になっている
  • 積極的な温暖化対策を行うことで、経済と環境の好循環をつくる産業政策「グリーン戦略」と位置づける
  • これまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えていく必要があるため、民間の挑戦をサポートする
  • 成長が期待される産業において高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員

(参照:内閣官房成長戦略会議「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」)

経済産業省資源エネルギー庁によると、2020年10月の臨時国会で宣言された「カーボンニュートラル」とは、CO2だけでなくメタンやフロンガスなどを含めた「温室効果ガス全体」が削減対象です。
また、「全体としてゼロにする」とは、人為的な活動を行う際に排出されるCO2と、吸収または除去されるCO2を同量にすることで実質的なゼロを目指すことを意味すると説明しています。

また、国土交通省の資料では、輸送などで使用される車両・船舶などからのCO2排出量は、全体の約2割を占めていることが明らかにされており、車両を利用し業務を行っている企業・事業所において、温室効果ガス削減への取り組みは急務です。

画像:国土交通省「国土交通省における地球温暖化対策について【概要】

上記の点を踏まえ、今後はより一層のCO2排出量削減に向けた取り組みが求められることになりますが、民間企業・事業所ではどのような対策を講じればよいのでしょうか。

経済産業省は2020年12月、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」内で、産業界が取り組むべき内容をまとめています。

その中で、民間企業がCO2排出量を削減するための具体策として、下記の項目を挙げています。

  • 電動車の普及
  • 水素燃料・蓄電池の導入

この他にも、世界各国で実装・実証実験が進むMaaS(Mobility as a Service/モビリティのサービス化)を活用した自動走行技術など、デジタル技術を活用した開発・評価環境の整備が急務であると指摘しています。

画像:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

1-2.企業価値向上に寄与する「CO2排出量削減」

過去のCariotブログで、「SDGs(エスディージーズ )/Sustainable Development Goals」及び「ESG投資」についてお伝えしました。

「SDGs」とは、持続可能な社会を実現するための取り組みを指し、この中に「地球温暖化対策」を含む環境問題への配慮も掲げられています。

現在では企業が「SDGs」に取り組むことは、自社のサステナビリティを向上させると同時に、事業の長期的な発展や企業価値の向上に必要な項目として、多くの企業で取り組みが推進されています。
また、投資の世界では環境に配慮した企業への「ESG投資」が世界各国で拡大していることも、前述の取り組みを後押ししています。

画像:環境省「SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック

これらの理由から、CO2削減など環境面に配慮した経営を行うことは、事業の中長期的な発展を見据えた経営戦略上、重要であるといえます。

「脱炭素社会」の実現に向けた企業経営を行う際は、事業機会の損失、法令・各種規制に対応するためのコストの増加も勘案し、事業計画を策定する必要があります。
その際、ステークスホルダーに対して、総合的なコストパフォーマンスが高いことを示すことで、新たな投資を呼び込む機会にもつながります。

世界各国だけではなく、日本国内でも「脱炭素社会」の実現への機運が高まる今、経営課題・事業課題として、これらの課題に取り組む好機といえるのではないでしょうか。
 

2.事業者に求められる対策

企業・事業所にとっては、温室効果ガスの削減と自社の利益向上を同時に達成しなければなりません。
そのために重要なことは、自社にとってその施策を実施することのメリット・デメリットや予算額などを明確にすることです。

具体的な施策を取りまとめる際は、環境省が公表している「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック」が参考になります。

<温室効果ガス削減の方向性>

  1. 可能な限り、エネルギー消費量を削減する(省エネを進める)
  2. エネルギーの低炭素化を進める
  3. 電化を促進する(熱より電力の方が低炭素化しやすいため)

(引用:環境省「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック」)

<経営戦略上のアプローチ>

  • 脱炭素の要請に対応する
  • 企業の優位性を築く
  • 新たな事業機会を捉える
<事業戦略例>

  • DX×脱炭素
  • サービス化×脱炭素
  • レジリエンス×脱炭素
  • UX/デザイン×脱炭素
<得られるメリット>

  • 売上
  • 利益
  • 企業価値

(引用:環境省「SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック」)

上記のことから、業務のDX推進・デジタル化への転換は、温室効果ガス削減にも役立つことがわかります。
車両を利用し業務を行う企業・事業所において「脱炭素社会」の実現と業務効率化・生産性や利益率向上を並行して実現するためには、「業務のDX推進」がおすすめです。

画像:環境省「SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック

脱炭素の実現に向け、現行のシステムや設備・生産や業務プロセスの見直しを行った結果、新たな設備投資を行うケースも想定されることから、一時的に負担が重く感じられることもあるかもしれません。
そのような場合は、国の補助金制度への申請を行うことできます。
環境省と国土交通省は、2021年3月〜4月にかけて「令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の公募を行いました。
※2021年5月現在、募集は終了しています。

この補助金は、船舶のCO2削減に向けLNG燃料線の普及を図るためのものですが、この他にも、設備投資を行った際の税額控除や特別償却など、税制上の優遇策が用意されています。

今後、経営課題として多くの企業・事業所がCO2削減に向けた施策の実施に乗り出すことが予想されます。
一度に多くの施策を講じることはできなくとも、可能な範囲から「脱炭素」に向けた取り組みを進めることに意義があるのではないでしょうか。
 


 

3.CO2削減に向けた各企業の取り組み事例

企業・事業所ごとの課題や取り組み内容はさまざまですが、車両を利用し業務を行う企業・事業所では、車両から排出されるCO2排出量を削減は必須です。

ここからは、環境省の「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-」から、CO2削減に向けた施策を実施している企業・事業所の具体的な取り組み例をご紹介します。

■事例1
太陽光発電事業の建設・運営を行っている企業では、出張先や社有車の利用状況から燃費消費に着目し、CO2削減への転換を打ち出しました。
同社では、出張先や社有車の利用状況から、車両をハイブリッド車へと切り替えることでCO2削減率を整理した他、社有車のリース期限を踏まえた削減計画を策定しました。
これらのことから、車両の効率的な運用、電車・レンタカーの利用を促進する施策を検討・実施し、CO2排出量は約5割の削減となる見込みです。

画像:環境省「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-

■事例2
一般廃棄物や産業廃棄物の収集・運搬を手がける企業では、新建屋建設に伴う省エネ対策の実施に加え、車両からのCO2排出量削減に向けた中長期的な対策の検討を行いました。
同社では、100台近くのゴミ収集車と大型・特殊車を保有しており、ディーゼルの消費量が多いことから、中長期的にはEV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車) への転換を行うこととしました。
しかし、本格的な導入には時間がかかることから、長期的な資金計画の観点からコスト低減の見通し・切り替えスケジュールを検討し、短中期的にはハイブリッド化やバイオディーゼル燃料の活用も検討しました。
省エネ対策は今年度に実施し、車両に関する対策については今回の結果を踏まえ検討を続けるとしています。

画像:環境省「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-


 

4.脱炭素社会実現に向け、Cariotができること

4-1.CO2削減に役立つCariotの機能

車両からのCO2排出量を削減するためのポイントとして、車両の適正管理・業務内の無駄な走行の削減・ルートの見直し・アイドリングの防止・安全運転による燃費向上などが挙げられます。

ここからは、モビリティ業務最適化クラウドCariotの機能の中から、CO2削減にも役立つ機能をご紹介します。

■適正車両数の見極め
・走行記録を基にしたレポート作成
走行データを可視化することで、車両・ドライバーごとの稼働率を正確に把握でき、業務に必要な車両台数を見極めることが可能です。これにより車両の効率的な運用が可能となり、CO2削減が期待できます。

■走行ルートの見直し/適正な時間と距離で運転
・走行履歴
車両が走行するだけで、詳細な走行履歴を取得することができます。
いつ・どこを・どのような速度で走行し、どこで・どの程度の時間、滞在したかを振り返って確認することができます。ルートの見直しを行うことで、回り道などのムダな走行の発見しCO2削減につながります。

・駐車イベントマップ
事前設定なしで、車両が「どこで・どの程度」、「駐車・滞留しているか」の駐車イベント情報を記録・確認できる機能です。
車両名、開始・終了時刻、駐車時間範囲など、それぞれの項目ごとの絞り込みも可能です。
また、取得したデータはCariotのレポート機能で出力できるため、ドライバーの労働時間・休憩・待機時間などをデータ化し分析できます。ドライバーの意識改革を促し、無駄なアイドリングを削減することで燃料消費を防ぎます。

■安全運転・エコドライブ
・危険運転検知
車載装置から急加速・急減速・急ハンドル・速度超過などの危険運転を検知し、管理者に即時報告する機能です。
急発進や急加速はエンジンに多くの負担をかけてしまいます。緩やかな速度で安全で環境に優しい運転を指導することで事故の予防もできます。

・速度マップ
走行データ機能の画面で「速度マップ」機能への表示の切り替えをすることで、車両がどの地点で・どの程度の速度で走行したかがわかります。
安全運転によるエコドライブの実施を徹底できる他、危険運転が発生しがちな地点の把握や、ドライバーごとの特性に合わせた指導にお役立てください。

モビリティ業務最適化クラウドCariotは、お客様の課題を解決に導くさまざまな機能をご用意しています。

4-2.Cariotの導入事例

モビリティ業務最適化クラウドCariotは、幅広い業種でご利用いただいています。
本項では、Cariotの動態管理システムを活用し、CO2排出削減を実現した事例 をご紹介します。

■ドライバーの意識改革により停車を20%削減した事例
https://www.cariot.jp/case/case06/

首都圏の飲食店や企業への配送を行っている企業では、自社のドライバーがどのようなルートで配送しているかの確認をしたいという課題がありました。
同社では、2週間の無料お試し期間でCariotを利用し、実際の走行ルートや休憩時間・場所の確認に加え、急加速・急減速などの危険運転の件数の把握とドライブレコーダーで動画を撮ることで安全運転面の管理もできることなど、効果を実感したことで本格的な導入を決定しました。
Cariotの本格導入後はドライバーの意識改革にもつながり、無駄なアイドリングを削減し丁寧な運転を心がける動きが生まれました。また、ベテランドライバーの配送ルートが確認できるようになったことで道案内や勉強ができるようになり、配送業務の効率が向上しました。

この他にも、Cariotを導入したお客様の導入事例をご紹介しています。詳しくは、CariotのWebサイト内にある「導入事例」をご覧ください。


 
 
※本記事の情報、及び画像は、記事作成時点のものです。詳しくは最新の情報をご確認ください。

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