【原料輸送サービス活用事例】年間売上650万円増を実現した配車計画最適化

製品パンフレット

Cariotの機能、料金パッケージなどが掲載されたパンフレットです。 Cariotを導入することで何ができるようになるのか、具体的にどう変わるのか、ユースケースごとにご紹介しています。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

日本の物流業全体で、貨物の小ロット化や多頻度小口配送が進んでいますが、化学薬品をはじめとした工業製品の原材料輸送についても同様の傾向があります。小ロット・多頻度小口配送での場合、日によっては配送先や配送件数が異なる場合があり、荷主の要請に対応するには柔軟な配車計画が求められます。
しかし、ドライバー不足が深刻化する物流業界で、特に化学品原材料を輸送するドライバーは、危険物取扱者の資格が求められるなど、他業界のドライバーよりも人員確保が難しいという事情があります。そのため、化学品原材料の輸送では、限られた時間・人員で効率的な配送を実現させる体制を整えることが非常に重要です。

今回は化学品の原材料輸送サービスを展開するM社様の事例をもとに、Cariotの活用により輸送回数を最大化し、売上拡大を実現した取り組みについてご紹介します。

<事例概要>
業種:化学品原材料輸送サービス
用途:輸送車両
課題:輸送実態に即した配車計画の策定

 

1.Cariot導入の経緯

1-1.ブラックボックス化している輸送実態

M社様は西日本を中心に化学品の原材料輸送サービスを展開していましたが、取引状況にあわせて輸送対象エリアを拡大することになりました。
同社には西日本エリアでの輸送に関しては創業以来の知見があったのに対して、東日本エリアはまだ実績が少ないため道路状況や輸送時間の適正な見積もりが難しく、配車計画の策定に苦労していました。
同社では、輸送状況や走行実績についてドライバーが提出する運転日報で管理をしていましたが、輸送実態を正確に把握し、効率的な配車計画を立案しようとなると、手書き資料を元にしたアナログ管理では限界があると感じていました。
同社は車両の動態管理ができるシステムを比較検討した結果、今解決したい「輸送実態の把握」と、これから取り組んで行きたい「効率的な配送計画」の両方に対応できる機能を備えている点を評価して、Cariotを導入することにしました。

 

2.導入時の課題と達成したいこと

2-1.現在の配車計画が適切なのか判断ができない

同社は、港湾で原料を積み込みメーカーに納品するほか、メーカーから預かった貨物を港湾に届けるといった幹線輸送を担っています。港湾では貨物の積み込み・積み下ろしの際に、車両が港湾に集中するため、コンテナヤードへ入るまでに渋滞が発生し、長時間の荷待ちが発生しているということがあります。
港湾での荷待ちにどのぐらい時間を割かれているのか把握できていないと、各拠点での所要時間にどの程度バッファを取ればいいのか判断が難しくなります。その結果、納品時間に遅れないことを優先して大幅に余裕を持った配車計画となり、おのずと1日の配送回数が制限されている状況に陥っていました。

また同社では、荷待ちや荷役業務に応じた追加料金の交渉を荷主側と進めたいと考えていたものの、どの業務にどれだけ時間がかかっているのかを把握できておらず、交渉材料を揃えられないという点についても対策が必要であると考えていました。

2-2.配車計画の最適化のために取り組むべきこと

本格的にCariotの運用を開始するにあたり、Cariotカスタマーサクセスチームは同社の現状と目指すべき理想の状態を整理し、それらを実現するためにまず何に取り組むべきかを洗い出すことを提案しました。

<現状>
×計画通りに輸送できているのか、実態が把握できていない
×貨物の特性上、積み込みや積み降ろしに長時間かかっている
×待機時間が長いという報告があるが、実際のところがわからない
<理想の状態>
〇輸送にかかった所要時間の実態をデータ取得・管理できている
〇無駄のない運行計画により、輸送効率を最大化できている
〇待機時間など売上につながらない業務を削減できている

現状における同社の一番の課題は「輸送実態が把握できていない」という点です。実態が見えていないために、そもそも現状の運行計画に問題はないのか、本当に待機時間が多いのか、多いとしたらどこで発生しているのか、といった現状分析もできません。
そこで、同社はまずCariotを使って「輸送実態の把握」に取り組むことになりました。

2-3.輸送実態の可視化を実現するCariotの機能

同社の輸送実態を把握するため、Cariotの以下の機能をご活用いただきました。

■リアルタイムでの位置情報把握
・エリアマップ
リアルタイムで更新される車両の位置情報から「今、どこにいるのか」が把握でき、効率良く動態管理が行えます。今まで行っていた電話でのやりとりの手間が、大幅に軽減できます。

・到着/出発通知
設定をした拠点で、到着・出発したことを検知する機能です。到着・出発したことを、ドライバーからの連絡を受けなくても、また常に画面を見なくとも情報を知ることができ、効率的な車両管理ができます。

■走行実績・輸送実態の把握
・走行履歴
車が走るだけで詳細な走行履歴を取得できます。いつ・どこを・どのような速度で走行し、どこで・どれくらいの時間滞在したかを振り返って確認することができます。

・走行ステータス
ドライバー側から、「業務中の休憩」や「実車」、「空車」、「待機」等のステータスを入力することができる機能です。(Cariotモバイルアプリ限定機能)
ステータスの項目名は自由にカスタマイズが可能です。

・運行予定
車両の利用予約と実績を画面上で簡単に作成・管理できる機能です。
車両の稼働状況の確認、車両の空予約・無断利用を把握することで、利用効率アップや台数削減によるコスト削減に活用できます。

 

3.Cariot導入による効果

3-1.収益アップにつながる糸口を発見

Cariotで取得した走行情報を分析した結果、それまで見えていなかった各拠点での輸送実態が明らかになってきました。
同社は以前より、貨物の積み込み・積み下ろしに関して、拠点ごとに規定の時間を設定しており、原則として規定時間以上の時間がかかった場合には追加料金を荷主企業に請求するという契約を結んでいます。
Cariotの走行データを集計したところ、それまで追加料金が発生していないと思われていた拠点でも積み込み・積み下ろしが規定時間を越えていることが判明するなど、収益アップにつながる糸口が見えてきました。

<Cariot導入成果>

  • 各拠点での滞在時間が可視化できた
  • 各拠点への納品回数(訪問回数)が数値化され、拠点ごとの傾向を把握できた
  • 各拠点の到着時間、出発時間が判明し計画との差異が明確になった

3-2.輸送単価UPと輸送コスト削減のための道筋が見えてきた

Cariotの導入によって、直近のゴールであった「輸送実態が把握できる体制」は達成することができました。同社はCariotのカスタマーサクセスチーム協力のもと、さらなる目標である「効率的な輸送体制の構築による生産性の向上」を実現するために取り組むべきことを洗い出すことにしました。

①車両あたりの輸送売上拡大

  • 規定時間以上の荷役業務の請求を徹底
  • 場外作業時間を可視化し荷主と条件を調整
  • 非効率走行の排除による輸送件数の増加
②輸送コストの削減による効率化

  • 過度な待機時間、荷役業務の排除
  • 運行状況確認のシステム化による管理工数を削減
  • 運転日報の自動化によるドライバー業務効率改善

荷主企業との交渉では、待機がなぜ発生しているのかを明確にする必要があります。同社はCariotの機能を活用することで、拠点エリア内の「どこで」、「いつ」、「どのくらい」待機が発生しているかを明らかにしました。
同社は客観的なデータを荷主企業と共有することで、積み込みや積み下ろしの曜日や時間帯の見直し、必要に応じて追加料金で対応するなどの交渉や検討ができる体制を整えつつあります。

 

4.得られた成果と今後の展望

4-1.輸送件数の最大化により年間売上650万円を創出

待機時間の削減や荷役業務の費用請求などを通じて、生産性アップに一定の効果を上げつつあるM社様は、現在、さらに「1台あたりの輸送件数の増加」にも取り組んでいます。
Cariot導入によって各拠点での所要時間が正確に把握できるようになったことで、従来、一回転しかできないと考えていた1日の輸送計画に、日によっては二回転できる余地が見えてきました。
同社では基本的に日によって納入先が変わるため、Cariot導入前は各拠点への移動に要する時間や各拠点での滞在時間を正確に見立てることができず、拠点ごとの所要時間に実際より多く見積もっていました。
Cariotで取得した実際の所要時間に基づいて輸送計画を引き直したところ、一台当たりの輸送件数を最大化させることで、年間売上に約650万円の上乗せが見込め、前年売上から10%増となることが明らかになりました。

4-2.継続した輸送計画の予実検証でさらなる効率化を

現在、同社ではCariotでシミュレーションした配送計画を段階的に実行し、予測通りの効果が上がるか検証を行っています。また、「配送計画」機能を活用し、計画通りの輸送が行えているかの予実分析を平行して実施し、輸送計画にさらなる改善余地の検討も続けています。

※「配送計画」機能とは
「どのような順番で、いつまでに目的地へ到着すべきか」という「配送計画」をCariot上で立てることができます。配送計画に沿って「どこまで配送したか」も確認できます。
配送計画から取り込んだ到着予定時刻と比較して、走行中の車両の到着予測時刻から遅延を検知し管理者に通知することもできます。

輸送効率化のための取り組みのひとつとして、輸送車両の回転数や稼働時間をいかに上げるかは重要なポイントです。
輸送ドライバー不足が深刻化している状況においては、同社のように輸送実態を明らかにし、ドライバーの非稼働時間を削減し輸送量を増やす取り組みが必要不可欠になります。

Cariotでは他にも輸送効率化のサポート事例をご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

【化成品輸送業】不要な待機時間削減による配送効率最大化
https://www.cariot.jp/blog/2020/09/07/minicace_part7/

【食品輸送サービス】配送先での滞在時間の可視化による生産性向上の取り組み
https://www.cariot.jp/blog/2020/07/30/minicase_part5/

輸送状況の可視化と非効率の解消に取り組みたい企業様・ご担当者様は、下記フォームよりお気軽にお問い合せください。

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