【Cariot活用事例】配送先での滞在時間の可視化による生産性向上の取り組み

車両用途別Cariot事例集

数ある導入事例の中から、車両用途別の活用シーン(配送、収集・運搬、営業・サービス)ごとに数社様をピックアップし、導入前の課題と導入後の成果を掲載しています。導入をご検討される際の参考にぜひご覧ください。​​

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

輸配送サービスを提供する物流企業において、輸送とは別に配送先で発生する業務の最適化をして、輸送とそれ以外の業務を切り分けて適正な委託料を請求していきたいという共通の課題があります。
2017年11月に施行された「標準貨物自動車運送約款等の改正」においても、運送の対価である「運賃」と運送以外の役務(積み込みや取り卸しなど)への対価にあたる「料金」の区別を明確化が推進されています。
しかし「運賃」と「料金」の線引きを行うには、ドライバーが配送先でどのような業務を行っているのかを把握する必要がありますが、物流企業側も荷主側も配送現場での業務内容や工数の把握ができていないのが現実です。
今回は食品輸送サービスE社様の事例を元に、Cariotを活用して配送先での滞在時間を把握することによる輸送業務の生産性向上への取り組みをご紹介します。

<事例概要>
業種:食品輸送サービス
車両用途:輸送車両
課題:配送先での業務最適化による生産性向上

 

1.Cariot導入の経緯
~導入済みの動態管理システムからの刷新~

E社様は小売店や外食産業向けの配送を中心に、保管や仕分け・配送までを手掛ける食品輸送サービスを展開しています。
以前から輸送車両にドライブレコーダーを設置していたものの、導入済みのドライブレコーダーは非通信型ということもあり、事故発生時の映像検証くらいにしか活用できていないという状況でした。また、運行記録計(タコグラフ)の装着の義務化に合わせてデジタルタコグラフも導入していましたが、デジタコで取得した走行データの集計や分析まで手が回らず、せっかく取得したデータを十分に活用できていませんでした。
そこで、ドライブレコーダー契約更新のタイミングで車両管理や安全運転管理の体制を見直すことになり、Cariotへの刷新を決定しました。

既存のドライブレコーダーからの刷新を決定した決め手は、Cariotには「安全運転管理」という従来のドライブレコーダーの役割に加えて、「車両管理」や「運行管理」ができること、さらにデジタコのみでは実現できなかった走行データ集計・分析を行える「データ分析機能」があるという点が高く評価されたことにあります。
同社は、まずはCariotの機能を活用して、車両管理に関わる業務のシステム化によって各拠点とのデータ連携を強化し、管理工数の削減に取り組むことになりました。今までExcelで管理していた輸送車両情報をCariotに移管したことにより、各拠点の保有車両の車検や保険の期限管理にかかっていた業務工数の削減を実現しました。さらに、急ブレーキ・急発進などの危険運転挙動が発生した際に配信されるメールアラート機能の活用することによって、リアルタイムでの安全運転管理も実施できるようになりました。

 

2.導入時の課題と達成したいこと
~配送先への滞在時間を見える化したい~

Cariotの導入により車両管理業務の効率化や効果的な安全運転管理が行えるようになったE社様でしたが、カスタマーサクセスチームによるデータ分析ノウハウのレクチャーを受けて、改めて自社の輸送車両の走行データを見直してみた結果、それまで顕在化していなかった輸配送効率化における課題に気づくことができました。

<課題>

  • 配送先での滞在時間や業務内容の把握ができていない
  • 運送業務と運送以外の業務の切り分けができていない
<実現したいこと>

  • 配送先での滞在時間・業務内容の最適化
  • 各種業務の切り分けによる運賃・料金適正化

運送業務と運送以外の業務を切り分け、各業務に適正な委託料を請求したいという要望は、同社だけでなく物流業界共通の課題です。しかし多くの企業では「運送に関わる業務」と「それ以外の業務」にかかる定量的なデータを取得できず、荷主との交渉のテーブルにつけないという根本的な問題があります。
同社はCariotの動態管理機能を活用することで、車両が各配送先にどのくらい滞在しているかを把握することで、長時間の滞在が発生している配送先を洗い出せないかと考えました。

 

3.課題に対する打ち手
~ボトルネックとなる配送先を洗い出す~

E社様は各配送先の滞在時間を可視化し、どの配送先にどのくらい時間がかかっているのか、突出して滞在時間が長い配送先はないかという視点でデータを確認することで、業務実態の把握と業務内容の見直しが必要な拠点はどこかを見極めることにしました。

<課題に対する打ち手>

  1. 配送先での滞在時間の可視化
  2. 配送先における待機時間等の可視化
<見るべき指標>

  1. 拠点別の滞在時間分布
  2. 時間帯別の平均滞在時間
  3. 拠点別の訪問件数、平均滞在時間
  4. 拠点別への滞在率

指標となるデータを取得し分析するために、同社にはCariotの下記の機能を活用いただきました。

・走行履歴
いつ・どこを・どのような速度で走行し、どこで・どれくらいの時間滞在したかを振り返って確認することができます。実際の走行ルートを地図上でも確認することができます。

・走行データ分析
複数の走行履歴を地図上で比較することで、無駄な走行・活動エリアの重複の発見することができます。

・駐車イベントマップ
車両が待機・滞留している場所を地図上で確認することができます。
車両名、対象時刻、駐車時間での絞り込みも行えます。

・レポート作成
自動で取得した各種データを使用して、Cariot上で担当者別・営業所別などさまざまな切り口で集計レポートを作成することができます。

・ダッシュボード
レポート作成機能で集計したデータをグラフ化し、まとめて表示できます。
データは随時更新され、常に最新の情報を見ることができます。

 

4.指標に対する分析結果
~各拠点における適正な滞在時間を見極める~

課題に対するモニタリング指標を分析した結果、輸配送効率を上げるために取り組むべき施策が見えてきました。

<長時間滞在が発生している拠点の特定>
E社様は指標となる数値の集計を開始した当初は、拠点への平均滞在時間は配送件数を比例するだろうとの仮説をもっていました。配送件数が多ければ拠点への訪問件数も増えるため、結果として平均滞在時間が増えるはずだと考えたのです。
しかしCariotで取得したデータを集計してみると、配送件数が少ないにも関わらず長時間滞在している拠点が複数あることが判明しました。さらに、配送件数が多い拠点では滞在時間が短いにも関わらず、平均的な配送件数の拠点ほどかえって滞在時間が長いという傾向が見えてきました。
また、各拠点への滞在率と訪問頻度を照らし合わせると、訪問頻度が少ないが滞在率が高い拠点が存在することも分かりました。

<拠点ごとの事情も含めたデータ分析の必要性>
Cariotでのデータ分析によって、一部の拠点において長時間の滞在が発生していることは確認できました。しかし、食品配送では厳密な温度管理が求められるため、積荷が常温なのか冷蔵・冷凍なのかによって配送現場での対応が異なります。そのため一概に配送件数と滞在時間が正比例することが適正とは言い切れない部分があります。
また、今回Cariotで取得したデータはあくまで走行データを元にした合計値や平均値であり、配送先ごとに指定されている配送時間帯など個別指定事項が考慮に入っていません。
そこで、同社はCariotを活用した定量分析から洗い出すことのできた「配送件数に対して滞在時間が長い拠点」に対して、各拠点ごとの契約内容などを含めた詳細情報を加味した上で、各拠点における適正滞在時間の指標を作っていくことを決定しました。

 

5.今後の展望
~適正な運賃・料金設定のための取り組みを開始~

E社様は、現時点で滞在時間が長い拠点について、その滞在時間が適正かを見極めるために今後以下の取り組みを実施していく予定です。

STEP1:
ピックアップした拠点についての各種データを取りまとめ、個別契約情報を含めた集計・分析体制を整える

  • Cariot活用による配送件数と輸送頻度などの定量データ取得
  • 各拠点の契約内容をCariotの「取引先情報」に反映
  • Cariotでのレポート抽出・集計条件の検討
STEP2:
適正滞在時間の指標をつくり、適正時間以上の滞在時間が発生している拠点を精査する

  • 定量データを元に契約内容や料金見直しのための交渉材料をまとめる

さらに同社では配送現場で発生している業務内容や対応時間をより正確に取得するためにCariotモバイルアプリの導入も検討しています。
Cariotモバイルアプリ限定機能である「走行ステータス」機能の活用で、ドライバー自身に実車・空車・待機等の業務ステータスを登録することで、「運送にかかる業務」と「運送以外の業務」にどれだけ時間を割いているのかを定量的に把握することができるようになります。
これらのデータの取得によって、物流サービス企業と荷主が適正な運賃と料金を検討するための材料を蓄積できます。

【走行ステータスとは?】
ドライバー側から、「業務中の休憩」や「実車」・「荷積み・荷降ろし」・「待機」等のステータスを入力することができるCariot モバイルアプリ限定の機能です。
より正確な業務の状況をリアルタイムに管理者に伝達することができます。
また、ステータスごとに実績が残せるため、実車率や待機時間について計測し、業務効率化に活用することができます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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