ガソリン価格高騰が経営悪化のトリガーに〜燃料価格の転換を推進するための施策〜

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

原油や天然ガスの輸入価格の上昇は、運送事業者にとって経営悪化のトリガーになり得ます。関連団体は政府に対し、燃料費高騰への効果的な対応や措置を求めています。しかし、世界情勢の変化に伴い輸入価格が高騰するなど、先行きは不透明です。

今回は、燃料価格高騰に対する関連省庁の取り組みと、経営安定化に業務のデジタル化が効果的な理由についてお伝えします。

 

1.企業経営を圧迫するガソリン価格の高騰

1-1.燃料油脂費の上昇は経営悪化のトリガー

全日本トラック協会が2021年3月に公表した「一般貨物運送事業損益明細表(令和元年分/対象期間:平成30年10月〜令和2年8月)」によると、2019年の貨物運送事業における燃料油脂費率は13.5%でした。しかし、2022年3月時点で原油価格の上昇が長期化することが予想されていることから、今後の燃料油脂費は上昇に転じる可能性があります。

画像:全日本トラック協会「一般貨物運送事業損益明細表(令和元年分/対象期間:平成30年10月〜令和2年8月)

1-2.エネルギーコストを輸送費に転換するための施策

政府は、燃料価格上昇への対策として石油元売り企業に対し補助金の支給を決定し、トリガー条項発動の検討に入りました。
上記の他、エネルギーコストの上昇対策として、関連省庁が施策を公表しています。

◆中小企業庁
「下請け事業者に対する配慮要請」

経済産業大臣名で2022年2月28日に発出された文書では、関係事業者に対し、国際情勢の変化等で原材料・エネルギーコスト増の影響を受ける下請け事業者に配慮するよう要請しました。
また、親事業者による一方的な価格設定などの買いたたきや減額などの違反行為が認められた場合、下請代金支払遅延等防止法に基づき、厳正に対処するとしています。

画像:国土交通省「トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン

◆厚生労働省
「取引環境適正化のための荷主対策・連携」

  1. 「標準的な運賃」、「燃料サーチャージ」の導入により、燃料価格上昇分を反映した適切な運賃等への見直しを行うよう、荷主企業に理解と協力を呼びかけ
  2. トラック事業者が燃料費上昇分への運賃等への反映について相談できる窓口を新たに設置
  3. 燃料費上昇分を運賃等に反映することを求めたにも関わらず不当に据え置くことは、独占禁止法違反(買いたたき)等になる恐れがあるとともに、改正貨物自動車運送事業法に基づき、国土交通省による荷主への働きかけや、要請、勧告・公表等の対象にする

(厚生労働省「取引環境適正化のための荷主対策・連携について」から抜粋)

画像:厚生労働省「取引環境適正化のための荷主対策・連携について」)

◆内閣府・消費者庁・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・公正取引委員会
「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑施策パッケージ」
(2021年12月17日閣議了解)

・目的
中小企業等が賃上げの原資を確保できるよう、生産性向上に取り組む中小企業を事業再構築補助金等により支援していくことに併せて、取引事業者全体のパートナーシップにより、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁できることは重要である。政府としては、以下の新たな取組を開始し、フォローアップしていくことを通じて、転嫁対策に全力で取り組んでいく。
(引用:「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑施策パッケージ」)
・概要

  1. 政府横断的な転嫁対策の枠組みの創設
  2. 価格転嫁円滑化に向けた法執行の強化
    └価格転嫁円滑化スキームの創設
    └独占禁止法の適用の明確化
    └独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査及び法執行の強化
    └下請代金法上の「買いたたき」に対する対応  など
  3. 労働基準監督機関における対応
    └最低賃金・賃金支払の徹底と賃金引上げに向けた環境整備
    └労働基準監督署からの通報制度の拡充  など

(「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑施策パッケージ」)」から抜粋)

 

2.運送事業者の経営健全化のために

2-1.運送事業者の課題

運送事業者が燃料費の上昇分を運賃等に反映し適正運賃を収受するためには、荷主側の理解と協力を得ることが必要不可欠です。しかし、運送事業者側がコスト増加を具体的なデータとして提示できず、交渉が難航するケースもあります。

交渉をスムーズに進めるためには、自動でデータが取得できるデジタルツールの活用がおすすめです。
システムを活用することで、車両ごと・ドライバーごとの業務実態を可視化し、その結果から平均燃料単価、1kmあたりの燃料費などが正確に計算できるようになります。

画像:国土交通省「原価計算の活用に向けて

2-2.経営健全化をサポートするCariotの機能

運送事業者の経営健全化のためには、燃料費の高騰分を運賃に反映するための交渉と並行して自社の業務効率化を行う必要があります。
モビリティ業務最適化クラウドCariotでは、業務効率化を実現に導く機能をご用意しています。

・走行データ機能
実際の走行距離をデータとして自動で取得できる機能です。ムダな走行をしていないか、長時間滞在している箇所がないかを俯瞰して確認し、業務効率化に活用できます。

・駐車イベントマップ
事前の設定なしで、車両が待機・滞留している場所や滞留していた時間が記録できる機能です。
本機能では、待機や滞留がどこで・どの程度発生しているかを可視化できる他、ドライバーの労働実態が把握できます。

・配送計画/荷量管理機能
Cariot上に配送計画を直接入力、もしくはExcelのテンプレートからアップロードすることで配送計画の登録・編集ができる機能です。登録された情報をもとに「計画通りに運行できているか」、「どの程度の遅れが出ているか」についての把握・分析ができます。

「荷量情報管理機能」では、目的地への発着状況、予定通りに積み荷が配送されているかの把握、車両ごとの積載率が分析できます。

・DriveCast
各車両のリアルタイム位置情報・目的地への到着予測時間を地図上で確認・検索できる機能です。
本機能で発行されるURLを社外の関係者に送信・共有することで、車両の現在位置や到着予測時間の確認ができるため、連絡・調整の電話連絡が削減できます。
なお、発行したURLはCariotの管理者ライセンスがない関係者もアクセス可能です。

・レポート/ダッシュボード機能
利用者別・部署別・車両別の走行距離や燃費の推移など、目的に合わせたレポートが作成できる機能です。集計結果はグラフィカルなレイアウトで表示されるため、車両やスタッフの動きを視覚的に確認できます。



 

3.荷主側企業が行うべき対応

荷主側は、燃料コストの上昇分を取引価格に反映することが求められています。価格交渉において明確な協議をせず価格を据え置いた場合、独占禁止法違反や下請代金支払遅延等防止法の「買いたたき」に該当し、処罰される可能性があります。

<下請代金法上の「買いたたき」に対する対応>

  1. 下請代金法上の「買いたたき」の解釈の明確化
  2. 下請代金法上の「買いたたき」に対する取締り強化
  3. 下請取引の監督強化のための情報システムの構築

(「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑施策パッケージ」から抜粋)

画像:公正取引委員会「下請法の運用基準を改正しました!

燃料費高騰対策の他、物流業界にはドライバーの労働条件改善、人手不足解消など多くの課題があります。これらの課題は、運送事業者が適正運賃を収受することで解消されることが期待されています。以上のことが、荷主側に対し燃料費高騰への対策や標準的な運賃、燃料サーチャージの導入が求められている理由です。

対応すべき物流の課題には「2024年問題」も含まれています。
荷主側もドライバーの長時間労働是正に向け、従来からの商慣習による付帯業務や荷役作業、待機時間の削減、時間指定の見直しを行う必要があります。


 

4.経営健全化に業務のデジタル化が効果的な理由

運送事業者の経営健全化の第一歩は、業務内のムリ・ムダ・ムラの把握と改善です。ボトルネックを発見するためには、業務のデジタル化が効果的です。これは、荷主側においても同様です。

<デジタル化でできること>

  • 現状把握によるコスト削減
  • 業務実態を把握し長時間労働を抑制
  • 作業時間、走行時間、走行ルートなどの把握
  • 積載率の把握と改善
  • 社内外の関係者間の素早い情報共有を実現
  • 工数を削減しながら適切な労務管理を実現

など

2021年から実施されている「総合物流施策大綱」では、物流DXが打ち出されました。
DXの推進には、業務のデジタル化が必要不可欠です。この機会にデジタルツールの導入・活用を検討してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
ご意見・ご質問・ご感想・ご要望などがございましたら、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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