注目のキーワード「フィジカルインターネット」〜革新的な物流効率化実現への取り組みと課題〜

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

物流効率化を図る革新的な手法として提唱されている「フィジカルインターネット」は、ご存知でしょうか?
「フィジカルインターネット」と聞くと、インターネット関連技術を思い浮かべるかも知れません。フィジカルインターネットとはインターネット通信の考え方を物流(フィジカル)に当てはめた新しい仕組みであり、企業・業界の垣根を越えた各種インターフェースの標準化・平準化を行い、物流リソースなどを共有すること で効率化を図るものです。

今回は、「フィジカルインターネット」が提唱された背景と具体的な取り組みや課題についてお伝えします。

 

1.第1回フィジカルインターネット実現会議が開催

2021年10月6日、経済産業省は最先端の技術や概念を取り入れ、大規模かつ長期・計画的な物流システムの構築を目的とした「フィジカルインターネット」の実現に向け「第1回フィジカルインターネット実現会議」を開催しました。

「フィジカルインターネット」で取り組む内容は、主に以下のとおりです。

  • トラック等の輸送手段をシェアすることによる輸送効率化
  • 保管・仕分けスペース等のシェアリングによる倉庫の稼働率向上
  • 車両台数削減による燃料消費量抑制、温室効果ガスの削減


 

2.フィジカルインターネットとは?

2-1.フィジカルインターネットでできること

インターネット通信は、世界中に張り巡らされたネットワークを通じ、あらゆるデータを世界中に瞬時に届けます。扱うファイルは「パケット」という単位に分割され、そのときどきで最適なルートを辿り、相手に届け、受信側で元のファイルに再構築します。

「フィジカルインターネット」は「パケット交換」の仕組みを物流(フィジカル)に応用し、企業・業界の垣根を越え、そのときどきで空いているトラック(輸送)や倉庫(保管・仕分け)と輸送ネットワークを共有した上で、最適な輸送ルートを通じてより効率よくモノを運びます。

従来の物流と「フィジカルインターネット」で大きく異なる点は、自社が構築した物流リソースのみを利用するのではなく、IoTやAI技術を活用して他社と連携を行い、車両・倉庫などのリソース・稼働状況などを見える化した上で相互利用することにあります。
これにより、サプライチェーン全体で非効率な業務を省きながら、必要な場面で・必要な人が・必要なだけ車両や倉庫などをシェア(共有)・コネクト(連携)することが可能になります。

■フィジカルインターネット実現に必要な要素

  1. ユニットロードシステム(パレットやコンテナ単位)の標準化
  2. 業種を横断した共同配送プラットフォームの構築
  3. 企業物流(調達・販売)も含めたSCM(サプライチェーンマネジメント)の徹底
  4. 物流DX(機械化・デジタル化)

(参照:経済産業省フィジカルインターネット実現会議「フィジカルインターネットとは、何か」)

2-2.フィジカルインターネットの実現に欠かせない「物流DX」

「フィジカルインターネット」を実現するための主な要素は、以下の3点です。

  • コンテナ:規格化された容器
  • ハブ:結節点における積み替えの効率化
  • プロトコル:サービス仕様・手続き・情報連携方法のルール化、標準化

「フィジカルインターネット」は、サプライチェーンに関わる各社が各インターフェースを標準化・平準化し、それらの情報を企業・業界を越えて共有することを前提としています。そのためには、 関係者間で「物の動き(物流)」と「商品情報(商流)」に関する正確な情報を素早く共有できる仕組みが必要です。必要となるのは、「物流DX」です。

物流業界でも「DX推進」の取り組みは進みつつあります。しかし、依然としてFAXや紙伝票でのやり取りなどのアナログ業務が多いことも事実です。また、どの業務でどの程度、非効率な業務が発生しているかの把握が難しい状況も続いています。これらの問題の多くはDX推進の遅れに起因しています。

総合物流施策大綱」においても「フィジカルインターネット」と同様の施策が掲げられています。どちらも持続可能で安定した物流を維持することを目的にしていますが、それらを実現するためには業務のIT化・デジタル化が必要不可欠なのです。

画像:経済産業省「フィジカルインターネット実現会議/総合物流施策大綱と物流標準化について


 

3.フィジカルインターネット提唱の背景

3-1.物流コストインフレの要因:供給力不足

道路貨物輸送サービスの価格 はバブル期の水準を超え、2021年に過去最高 となりました。特にECの拡大による宅配便の価格高騰が顕著です。
物流の需要が増加する反面、ドライバーの高齢化や慢性的な人手不足による輸送リソース不足が深刻化しています。

特に長距離輸送では、拘束時間の長さ・賃金の低さに加え、中型・大型免許の取得が必要になることから、若年層や新規就業者が少なく、ドライバー不足が顕著です。効果的な対策を講じなければ、今後はさらにドライバー不足が進む可能性があり、2027年には27万人のドライバーが不足し、2030年には約36%の荷物が運べなくなるとの試算も出ています。

これらの問題は自社内だけの努力だけでは効果が限られるため、業界全体で取り組む必要があります。このことが即時性のある解決を難しくしている要因のひとつではあり、改善策を講じなければ、近い将来「運びたい荷物が運べない」という事態を招きかねません。避けて通れない課題として、早急な対策が必要です。

画像:経済産業省「フィジカルインターネット実現会議

3-2.カーボンニュートラルの要請

過去のCariotブログでもお伝えしましたが、物流業界は「2050年カーボンニュートラル」の目標を達成するため、物流企業・事業所はCO2削減のための省エネ・脱炭素エネルギーの利用をが強く要請されています。

国土交通省の資料によると、日本のCO2排出量のうち、貨物自動車のCO2排出量は約6.8%を占めており、2030年度までに2013年度比で46%の削減が掲げられています。
CO2を削減するためのアクションとして、場合によっては車両の買い替えや設備投資などを行わなければなりません。このことが企業のコスト増大を招き、物流の供給を制約する要因になり得るとの指摘もあります。

画像:国土交通省「輸送部門における二酸化炭素排出量

3-3.ドライバーの劣悪な労働環境

現在、物流コストインフレの状態にあります。しかし、全産業の平均と比較するとドライバーは長時間労働・低賃金の状態が続いています。労働環境改善への取り組みを行わなければ離職者が増加し、物流供給力がさらに低下しかねません。

また、2024年度からはドライバーの時間外労働の上限の規制・時間外割増賃金の引き上げが適用されることから、物流コストのさらなる高騰が予想されています。このことが供給のリソース不足を加速させるとの予測もあります。

1990年以降、運輸業界の競争を促進するための規制緩和により市場競争が激化しました。物流各社はコスト削減策として運賃を圧縮することで対応しましたが、このことが賃金の低下と長時間労働などの労働環境悪化によるドライバーの減少を招く要因になりました。
現在は、業務効率化におけるコスト削減の徹底による賃上げ・労働環境改善への早急な対策が求められています。

画像:経済産業省「フィジカルインターネット実現会議

3-4.物流コストインフレ時代にもかかわらず軽視される物流

経済産業省の資料によると、ロジスティクスやサプライチェーンマネジメント(SCM)を推進する際の課題として上位の項目は「物流コスト削減(物流コスト改善)」です。

企業にとって物流は「コストセンター」とみなされ、コスト削減の対象として認識することはあっても、企業・経営戦略のひとつとして認識されていない/重視しない傾向があります。そのため「コスト削減」は、単純に「物流コスト削減」を実行すれば達成可能なものと考えられがちです。
物流能力が競争力を左右する現在、企業はデジタル技術をフル活用し、物流を含めたSCMの最適化という競争領域の改革と、企業間で連携可能な物流改革という協調領域の改革を同時に進めなければなりません。

画像:経済産業省「フィジカルインターネット実現会議


 

4.フィジカルインターネット計画の進め方(案)

経済産業省・国土交通省は共同で、2040年までに物流のあるべき将来像としての「フィジカルインターネット」実現に向けたロードマップを策定します。また、業界別のワーキンググループを組織し、2030年までのアクションプランを作成する予定です。

画像:経済産業省「フィジカルインターネット実現会議

物流業界には、「フィジカルインターネット」の実現に先がけた取り組みとして「物流DX」を始め、業務の自動化・省人化を進めることが求められています。 この機会に積極的な「物流DX」の取り組みを始めてみてはいかがでしょう

物流DXを推進する第一歩は、アナログな業務のデジタル化です。
モビリティ業務最適化クラウド「Cariot(キャリオット)」をご活用いただくことで、車両現在地のリアルタイム把握、目的地への到着予測時刻の把握・共有、取得した走行データを元にした運転日報の自動作成など、業務のデジタル化が大きく進みます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
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