SDGsの認知度と取り組み実態〜できることから始めてみませんか?〜

遅延・早着への迅速な対応で電話連絡の回数を削減

配送遅延や早着が発生した場合、運行管理者は関係者への電話連絡に忙殺されてしまいます。動態管理システムの活用によって車両の現在地と到着予測時間のスムーズな情報共有を実現する方法をご紹介します。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

SDGs(エス・ディー・ジーズ/持続可能な開発目標)に関して、Cariotブログでもたびたびお伝えしてきました。日本国内でも多くの企業が取り組みを開始していますが、一方で、具体的な取り組みにはどのようなものがあり、どのように取り組めばよいかわからないというお話をうかがうこともあります。

今回は、SDGsの認知度や、具体的な取り組み方法をお伝えします。

 

1.SDGsの具体的な取り組み

1-1.調査データから見るSDGsの認知度・取り組み

Cariotブログでも取り上げた「SDGs」とは、企業の活動を通じて社会課題を解決するための国際的な取り組みです。
身近な例としては、例えば業務で使用するパソコンを買い換える際、廃棄ではなく古い機種をメーカーに下取りに出すことも、SDGsの取り組みといえます。
また、車両を使った業務を行う企業では、モーダルシフトや共同配送、貨客混載輸送の実施や環境性能が高い車両を活用することでCO2排出量削減への取り組みを実施することができます。このほかにも、社屋や倉庫などの施設で自然エネルギーを活用することもSDGsの取り組みの範囲になります。

経済産業省が2021年7月に公表した「2020年度中小企業のSDGs認知度・実態等調査概要版」では、中小企業におけるSDGsの認知度や取り組みの実態に関する結果が報告されました。
前回の2018年の調査と比較すると、認知度や対応を行っている・検討していると答えた企業の割合はかなり増加していることが読み取れます。
その反面、取り組みを進めていない/進めることが難しいと回答した企業・事業所からは、社会的な認知度が高まっていない(39.0%)、取り組むことのメリットが明確にならない、具体的な目標・KPIの設定が難しい(各24.4%)、取り組むための人員が不足している(19.5%)などの意見が出ています。

経済産業省:「2020年度中小企業のSDGs認知度・実態等調査概要版

帝国データバンクも同様の調査を行っています。
2021年7月に公表された「SDGsに関する企業の意識調査(2021年)」によると、「SDGsの意味・重要性を理解し取り組んでいる」、「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」、つまりSDGsに積極的な企業の割合は、2020年の24.4%から39.7%に増加しました。
一方で、SDGsに取り組んでいない企業の割合は2020年には47.7%でしたが、2021年には50.5%となり、過半数を占めました。

SDGsに積極的な企業を規模別に見ると、大企業が55.1%、中小企業は36.6%、小規模企業では31.6%となり、企業規模による差が見られます。業種別では、金融、農林水産業の約半数はSDGsに積極的ですが、運輸・倉庫、サービス、建設では取り組みが遅れているとの結果となりました。

1-2.フィジカルインターネット(PI)とSDGsの関連性

過去のCariotブログでご紹介した「フィジカルインターネット(PI)」とは、インターネットの仕組みや考え方を物流に当てはめ、より効率的に運用するための概念・仕組みのことです。
PIが提唱された背景には、需要が増加する反面で物流コストがインフレになっていることや、カーボンニュートラルの要請、ドライバーの労働環境改善があります。

<PIの主な取り組み内容>

  • トラック等の輸送手段をシェアすることによる輸送効率化
  • 保管・仕分けスペース等のシェアリングによる倉庫の稼働率向上
  • 車両台数削減による燃料消費量抑制、温室効果ガスの削減

2021年12月「フィジカルインターネット実現会議」が開催されました。同会議では、PIで示された取り組み内容が、SDGsが掲げる「エネルギー」、「成長・雇用」、「イノベーション」、「不平等」、「都市」、「生産・消費」、「気候変動」の達成に貢献するとし、SDGsの達成とPIを絡めて目標を達成する方針が示されました。
しかし、上記の提案にはSDGsで掲げられた目標の内「保健(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)」や「ジェンダー(ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う)」が含まれていません。

物流業界の課題として、慢性的な人手不足とドライバーの高齢化の解消があります。同時に、就業者における男性比率の高さを解消することも重要視されています。
そして、少子高齢化に伴い社会全体で労働人口が減少する中、業界・業種を問わず新規就業者の確保が難しくなることが予想されています。中長期的な成長基盤を盤石にし、安定した経営を実現するためには、年齢・性別を問わず誰もが働きやすい職場づくりを行うなど、就業希望者の確保に向けた企業努力が求められているのです。


 

2.SDGsへの具体的な取り組みのために

2-1.労働力確保

日本は急速に少子高齢化が進んでいます。これに伴い、生産年齢人口は、1995年をピークに減少に転じています。総務省の「労働力調査(基本集計)2021年」によると、労働人口(15歳以上のうち就業者と完全失業者の合計)は、2021年の平均で6,860万人(前年比8万人減)でした。男女別では、男性が3803万人(20万人減)、女性は3057万人(13万人減)となりました。
また、15~64歳の労働力人口は5931万人と、前年比で15万人減少しました。男女別では、男性が3252万人(20万人減)、女性が2679万人(20万人増)との結果が出ています。

ドライバーに関しては、規制緩和で競争が激化したことによる労働環境の悪化の影響で、2000年代後半以降に急減し、2027年には27万人が不足し、2030年には約36%の荷物が運べなくなるとの試算も出ています。加えて、2024年度から開始される時間外労働規制が、この傾向に拍車をかけると懸念されています。

画像:総務省「労働力調査(基本集計)2021年

画像:経済産業省「物流危機とフィジカルインターネット

最近では、物流業界で活躍する女性を取り上げたニュースを目にする機会が増えてきました。
誰もが働きやすい職場環境づくりの実現を掲げ、Cariotが自主行動宣言を提出している「ホワイト物流推進運動」でも、物流業界において女性や高齢者が働きやすい職場づくりが推奨されています。
この機会に、職場・労働環境の改善や整備が難しい理由や、実現を阻む要因の洗い出しをしてみてはいかがでしょうか。

2-2.業務システムのDX(デジタルトランスフォーメーション)化

労働力不足を解消し、働きやすい職場づくりを実現する方法のひとつに「業務のDX化」があります。
DXは目的ではなく、目的を達成するための手段です。そして、DXを推進するためには業務のデジタル化が欠かせません。

<デジタルツール活用のメリット>

  • 業務を「見える化」しムリ・ムダ・ムラが解消できる
  • ベテランと新人の経験差を解消し業務負担の偏りや属人化を防ぐ
  • 経験の差や年齢・性別を問わず誰もが同質の業務を行う範囲が広がる
  • 未経験者の就業へのハードルを下げ雇用機会を拡大
  • 労働力を長期間確保できる

など

デジタルツールから自動で取得したデータは、改善が必要な箇所の洗い出しと改善案の立案と実施、効果の検証を具体的な数値を元に分析・実施に活用できます。
このとき、目標に対しどの程度達成できたかを定量的な指標で客観的に把握するための「KPI(重要業績評価指標/Key Performance Indicator(s)」を活用しながら、継続的なPDCAサイクルを実施することで、さらなる業務改善効果が期待できます。

画像:国土交通省「物流事業者におけるKPI導入の手引き

2-3.求職者へのアピール

物流業界への就業を促すためには、求職者にとって魅力ある職場環境を整備することに加え、自社の魅力をアピールすることも必要です。

2021年5月、国土交通省は「働きやすい職場認証制度」を制定し、初の認証事業者を公表しました。
過去のCariotブログでもお伝えしたこの認証制度は、職場環境改善に向けた事業者の取り組みを「見える化」し、求職者に対する業界イメージの刷新や就業を促すことで、ドライバー不足を解消することを目的にしたものです。

同認証制度には、「一つ星」、「二つ星」、「三つ星」の3つの認証段階があります。2021年は約2500社が認証を受け、自動車運送業の労働環境改善に取り組んでいます。
現在は「一つ星」のみですが、今後「二つ星」、「三つ星」の制定など、制度の拡充に向けた方向性について認証制度運営委員会で審議される予定です。

画像:「トラック・バス・タクシードライバーのための働きやすい職場認証制度
 

3.労働環境改善のためのヒント

労働環境やドライバーの長時間労働を改善するため大切なことは、正確な情報をもとにした労務管理の実施です。そのためには、どの業務にどの程度の時間がかかっているかを把握し記録することが求められます。
この問題を解決するためには、現場の動きをリアルタイムで把握し記録できる動体管理システムの活用がおすすめです。

モビリティ業務最適化クラウドCariotは、車両のリアルタイム位置情報の取得・分析と管理業務のデジタル化が実現できる動態管理システムです。
動態管理システムを活用し車両の現在地と到着予測時間、関係者間でスムーズな情報共有を実現する方法が知りたい方や、ドライバーの労働環境改善のためのヒントが知りたい方は、下記の資料をぜひご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発や、さまざまなノウハウをまとめた資料の制作を進めてまいります。
ご意見・ご質問・ご感想・ご要望などがございましたら、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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