コロナ禍における輸配送効率化〜トラック物流が取り組むべき「物流DX」〜

製品パンフレット

Cariotの機能、料金パッケージなどが掲載されたパンフレットです。 Cariotを導入することで何ができるようになるのか、具体的にどう変わるのか、ユースケースごとにご紹介しています。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、物流業界にも大きな影響を及ぼしました。現在も続くコロナ禍において、物流に携わる企業・事業所はこれまで以上に業務効率化・生産性向上の実現が求められています。

今回は、国土交通省が推進する「次期総合物流施策大綱 」で掲げられた「物流DX (デジタルトランスフォーメーション)」の推進、業務効率化の実現に有効なデジタルシステム導入の現状、システム導入により業務改善を達成した事例など、アフターコロナを見据えた課題と対応策についてご紹介します。

 

1.新型コロナウイルス感染症で影響を受けた物流の今

1-1.数値で見る物流業界の現状

物流業界にも大きな影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症の感染拡大から1年が経ち、いまだ収束の兆しが見えない状況が続いています。
この間、緊急事態宣言の発出や、外出等の自粛要請による「巣ごもり消費」の需要が拡大したことで、配送の現場では個人向けの配送個数が増加しました。その反面、国際貨物においては輸出入の減少で荷量が減ったり、コンテナ不足、チャーター便の利用で物流コストが上昇したりするなど、利益を押し下げる要因もありました。

日本ロジスティクスシステム協会(JIIS)が2021年1月20日に公表したアンケート結果によると、国内の物流で「大きな変化があった」と回答した企業は、荷主企業で41.2%、物流企業で58.2%となっています。その内、「トラックが確保しやすくなっている」との回答は、荷主企業で42.9%、物流企業で35.8%となっており、物流量が減少していることを表す結果となっています。
また、国際物流では、輸送コストの上昇、船便・航空便が確保できない、リードタイムが長くなるなどの課題も挙がっており、依然として混乱が続いている状況です。

コロナ禍において、物流を取り巻く環境が急激な変化を見せる中、物流企業・事業所は従来とは異なる荷量の増減への対応や車両の配置の変更、人員の待機や応援を随時スムーズに行わなければならないなど、イレギュラーな状況に合わせ、その都度、柔軟な対応をしなければなりません。また、非常時ともいえる状況を乗り切るためには、平常時以上にスケジュールの正確さが要求されます。
それらを実現するために役立つもののひとつに「業務のデジタル化」があります。

JIISが集計したアンケート結果によると、荷主企業の41.8%、物流企業の53.8%が、サプライチェーンにおける自動化・ロボット化・デジタル化への投資および投資の検討に対して「変化がある」と回答しています。その内、荷主企業の82.1%、物流企業の81.6%が、「自動化、ロボット化、デジタル化への積極的な投資、もしくは投資への検討が加速している」と回答しており、業務のデジタル化への転換が進んでいることが見受けられます。

この他にも、生産性をさらに向上させるため組織や業務の改善に取り組む企業・事業所や、他社・取引先との調整・連携による効率化を進めるケースも増加傾向にあります。

1-2.物流業界に求められる「ポストコロナ時代」の対応・対策

コロナ禍においては、オフィスワークを中心に感染症拡大を防止するため「リモートワーク」を実施し、非接触・非対面で業務を行うことが推奨されています。これは物流の現場においても同様です。
しかし、物流に携わる方の多くは生活維持に欠かせない職業に就いている「エッセンシャルワーカー」であり、対面で業務を行う場面が多いことも事実です。そのため、業務効率化の実現とともに、どのように非接触・非対面で業務を行うかという課題も解決しなければなりません。
現在は「非接触・非対面」での業務遂行を実現するためのひとつの方法として、配送現場では届けた荷物を宅配ロッカーに置いたり玄関先に届けたりする「置き配」を採用するなどの工夫がされています。しかし輸配送の現場では、伝票や受領書などは依然、紙でやり取りされるケースが多く、人との接触機会の低減を阻む要因のひとつとして解決すべき課題となっています。

過去のCariotブログで「次期総合物流施策大綱」についてお伝えしましたが、同大綱では「新しい生活様式/ニューノーマル」への対応の一環として、「物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化」の中に「非接触・非対面型の物流の推進」を掲げています。

画像:国土交通省「【参考資料1】次期総合物流施策大綱の概要

次期大綱で示されている「業務のIT化・デジタル化」を進めることは、物流の効率化を阻む要因や現場の課題を解消に導くことができます。また、業務システムを導入することで、ポストコロナを見据えた投資となります。

物流業界は、感染症の拡大を契機に社会環境の変化に対応することに加え、物流業界全体の業務改革への取り組みを同時に進めることが求められています。
 

2.物流総合効率化法について

2-1.生産性向上に欠かせない「物流DX」

社会と経済を支えるインフラとして重要な役割を担う物流を維持するためには、多様化するニーズに応えながら持続可能な業務環境の整備を行う必要があります。
それらを実現するための施策のひとつとして、国土交通省は現行の「物流総合効率化法」を策定しています。
同法は、「2社以上が連携し輸送網の集約やモーダルシフト(トラックによる幹線貨物輸送を大量輸送が可能な海運または鉄道に転換すること)、輸配送の共同化など輸送の合理化・効率化を行う事業に対して計画の認定や支援措置を実施する」としています。

コロナ禍は、物流業界が従来の商慣行から脱却し、デジタル化の推進を含めた業界全体が構造改革への取り組みを進める好機でもあります。
実際、コロナ禍を機に一部の企業・事業所間では、システムの導入による業務の効率化の推進、利益率向上のための業務体制の見直し、同業他社や異業種間での共同配送の実施、規制緩和による既存リソースの活用など、具体的な取り組みが行われています。

※共同配送について過去のCariotブログでもご紹介しています。こちらもぜひ、ご覧ください。

複数の課題を解消し円滑な物流を維持するため、国土交通省は2021年度から開始する新たな「次期総合物流施策大綱」においても、サプライチェーン全体で輸配送効率の最適化に向け取り組みを行う方針を明らかにしました。

物流政策の基本となる「総合物流施策大綱」には、物流業界が取り組むべき施策が記載されています。過去のCariotブログでも次期大綱についてお伝えしましたが、重要施策として下記の3点が掲げられています。

  1. 物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化
  2. 労働力不足対策と物流構造改革の推進
  3. 強靭で持続可能な物流ネットワークの構築

(引用:国土交通省「次期総合物流施策大綱の概要」)

ここで注目すべき点は、いずれの項目も業務のIT化・デジタル化に関する内容が盛り込まれていることです。

画像:国土交通省「次期総合物流施策大綱の概要

システムを導入し業務効率化を図ることは、物流政策の実現だけでなく、長年の課題である「ドライバー不足」を補うことにもつながるなど、企業・事業所の利益にも寄与します。
システム導入にあたり、考えられるメリットや、デジタル化が必要な業務は下記のとおりです。

<システム導入のメリット>

  • 業務内のムリ・ムダを削減し、生産性・利益率を向上
  • 休日や休憩時間を確保し、ドライバーの労働環境を改善
  • 深刻化する人手不足をカバーしながら利益率を向上
  • リードタイムの短縮
  • 倉庫などの物流拠点の有効活用
  • 契約書等に明記されていない付帯作業などの削減 など
<デジタル化が必要な業務>

  • 商品管理
  • 倉庫システムの構築
  • 勤務状況、休憩時間等の労務管理
  • 配送ルートの最適化
  • 車両の稼働率、空車率、積載率の管理
  • 検品の廃止
  • 伝票・納付書・受領印のデジタル化 など

生産性と利益率の向上を実現するために必要な「システム導入」への投資は、激しく変化するビジネス環境に対応するためだけではなく、アフターコロナにおいても円滑な業務運営を行うために欠かせないものとなります。

※物流DXの現状と取り組むべき理由に関する詳細は、過去のCariotブログをご覧ください。

2-2.業務改善策を成功に導くために重要な「KPI」

業務内の課題を抽出し目標を達成するためには、売り上げなどの達成目標と、その達成度を評価するための評価指数である「KPI」(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)の設定が必要です。

画像:国土交通省「トラック輸送における生産性向上方策に関する手引き

KPIを設定するためには、システムを導入し正確なデータが取得できる環境整備が欠かせません。
これにより、従来のアナログ管理では見落としがちな箇所や、管理者側からは見えにくかった現場の「今」の状況を具体的なデータとして「見える化」できるようになり、具体的なデータをもとにした的確な施策の立案が可能となります。また、改善施策の効果を測定・分析することで、より改善が必要な箇所の発見と次の施策の立案につながります。このサイクルを継続することで施策がブラッシュアップされ、目標の達成が実現するのです。

ここからは、国土交通省の「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」で公開されている、民間企業における物流システムの具体的な活用事例をご紹介します。
今回、本ブログでは2例を取り上げていますが、いずれのケースも業務をデジタル化することで、経営面と現場の課題を「見える化」、「定量化」することで課題を解消へと導いています。

■ケース1:荷待ち時間の削減
医薬品卸売企業では、ドライバーの待機時間を削減するため、運送事業者との情報共有を行うWeb予約システムと伝票を電子化するためのシステムを導入し、入庫時の検品の廃止や納品伝票・受領印を電子化した結果、荷待ち時間の削減を実現しました。
また、車両回転率・実車率の向上、ドライバーの拘束時間の削減、紙による送付・受領・管理の負担も削減しています。

画像:国土交通省「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き

■ケース2:荷主と運送事業者が協力し生産性の向上を実現
このケースでは、荷主側から運送事業者に対し課題を提起し、双方が課題の絞り込みを行った後、共通のKPI(積載率・車種別配車台数・配送計画時間遵守率)を設定・合意しました。また、KPI未達成の要因の分析、対策協議を実施し、運送事業者の労働生産性向上の他、当初の目標を上回るCO2排出量の削減を実現しています。情報システム・ツールを導入した後は、荷主・運送事業者・システムを開発したベンダーを含めた三者が協力するスキームを構築し、生産性向上への取り組みが行われています。

画像:国土交通省「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き

※具体的な事例の詳細は、国土交通省「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」をご覧ください。

生産性向上を実現するためには、運送事業者側の努力だけでは限界があり、荷主側の協力が必要です。今後は、関係者が一体となり業務効率化に取り組むことが大切です。

 

3.生産性向上に役立つCariotの機能

モビリティ業務最適化クラウドCariotでは、車両を利用した業務を行う企業・事業所の皆様にお役立ていただけるさまざまな機能をご用意しています。
今回はその中から、荷主・運送事業者の双方でご活用いただける機能をご紹介します。

■Drive Cast
本機能で発行されるURLにアクセスすることで、荷主・輸配送事業者の双方で走行中の車両の位置・到着予定時間を把握することができます。本機能をご利用いただくことで、荷主からの問い合わせに対し、ドライバーに確認の電話をしなくとも、車両の位置情報を確認することができます。

■ルート最適化機能
配送先拠点と順序を登録してルート設計したり、AIを活用したクラウドサービスと連携してルートの最適化を図ったりする機能です。ベストな配送ルートの組み立てや、業務に関わる時間やコストの短縮など、業務効率化の実現をサポートします。

■ダッシュボード
Cariotがリアルタイムで取得したデータをグラフィカルなレイアウトで表示することで、確認したい情報を視覚的に把握できる機能です。表示項目は、拠点ごと・車両×日時・車両の稼働率など、業務に必要な項目や目的に合わせ自由に変更できます。
課題の発見や問題の傾向の把握などにご活用ください。

Cariotではお客様の運用負担を軽減するための取り組みとして「サクセスパッケージ」をご用意しています。
インストール後に簡単な設定を行うだけで、お客様の課題に合わせたホーム画面・レポート・ダッシュボードが準備された状態でCariotをご利用いただけます。ぜひ、ご利用ください。

■日報・月報の自動作成機能
運転日報・月報を自動で作成する機能です。集計作業の手間を省きます。総走行時間・総走行距離も集計されるため、日々の作業負担を大幅に軽減できます。車両がどのように走行したかを正確に記録できます。

上記の機能以外にも、Cariotではお客様の業務効率化・生産性向上をサポートする機能をご用意しています。

また、Cariotでは随時、業務効率化や生産性向上に役立つオンラインセミナーを開催しています。
2021年2月25日には、株式会社モノフルとオンラインセミナーを共催し、Cariotの動態管理システムと、モノフルが提供する荷物の積み下ろしのためにトラックを停車する「バース管理」とを組み合わせ活用することによる、物流業務最適化についてご紹介しました。
セミナーは随時、開催しています。詳しくは「セミナー一覧」ページをご覧ください。


 
 
※本記事の情報、及び画像は、記事作成時点のものです。詳しくは最新の情報をご確認ください。

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