4月1日施行「働き方改革関連法」がもたらす“車両運転業務”

2019.04.02管理者必読の法律情報
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こんにちは、Cariot(キャリオット)編集部です。
連日ニュースなどでも取り上げられている「働き方改革関連法」が、いよいよ4月1日から施行となりましたね。まずは大企業からの実施となる項目もありますが、各業界において“実際の働き方“にどのような変化をもたらすのか注目されている方も多いかと思います。
そしてこの法案により、運送・自動車業界に早くも新たな課題や付随する法令の改正などの動きが出てきています。
【目次】
・「働き方改革関連法」の概要
・ドライバーの時間外労働規制はどうなる?
・「運転日報」への荷役作業記録が義務化!
・“車両運転業務”はどう変わっていくのか?

▪️「働き方改革関連法」の概要

一億総活躍社会の実現に向けて、働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を実現するため政府及び厚生労働省が掲げた「働き方改革」。
少子高齢化に伴い労働人口が減少を続ける中でも安定した労働力を確保し生産性を向上できるよう、この4月からさまざまな角度から“働き方”の見直しが行われます。
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(以下、「働き方改革関連法」)には長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現を目指し、以下の8項目が盛り込まれています。

◆「働き方改革関連法」8項目◆
(1)時間外労働の罰則付き上限規制
(2)5日間の「有給休暇取得」の義務化
(3)「勤務間インターバル制度」の努力義務
(4)割増賃金の中小企業猶予措置廃止
(5)産業医の機能を強化(事業主の労働時間把握義務含む)
(6)同一労働・同一賃金の原則の適用
(7)高度プロフェッショナル制度の創設
(8)3ヶ月のフレックスタイム制導入※「厚生労働省」発表資料より

労働者の疲労の蓄積、ひいては過労死等を防ぐため、残業時間の原則を月45時間かつ年360時間以内などの上限を設け、超えた場合には刑事罰も適用されるといった(1)をはじめ、10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、企業は有給を5日取得させなければならない(2)など、具体的に義務化された項目が目立ちます。また(3)においては、勤務後から次の勤務開始まで少なくとも10時間あるいは11時間をあけて心身を休める時間を設ける、といった努力義務も。
人事や労務担当にとっては、まずはこのような規制に沿った労働時間の把握と遵守が急務になってくるのではないでしょうか。

▪️ドライバーの時間外労働規制はどうなる?

今回の“働き方改革”の柱ともいえる「時間外労働の罰則付き上限規制」。運送業界においては、ドライバーの勤務時間把握・管理を課題とされている企業様も多いかと思います。しかし業務の特性も相まってか、運送業やトラック含む “車両運転業務”に関しては、大手・中小にかかわらず2024年3月末まで時間外労働の罰則付き上限規制の適用が猶予されることに。
この“車両運転業務”の対象となるのは「トラック含む自動車運転の主たる従事者」とされています。具体的には「自動車を運転する時間が労働時間の半分超」「運転業務に従事する時間が年間総労働時間の半分超」の場合、上記と見なされるようです。
例えば、運送業務と車両管理含む管理系のお仕事を兼務されている方はどうなるのでしょうか?
実際、運送業者などでは運行管理者がドライバーを兼務しているケースもあると聞きます。その場合、ドライバーとしての契約ではないものの、実態として運転をしている時間の方が運行管理業務より多いのであればドライバーとして上記猶予の適用が可能となるわけです。
とはいえ現場においてはシーズン毎の荷物量の変動、日々の配達状況などさまざまな要因により業務比重も常に変動していることでしょう。そのなかで、ドライバーとして時間外労働の規制対象外となるか、運行管理者として一般則を適用することになるのかは予測が難しく、企業側は業務量と人員のコントロールに頭を悩ませることになるかもしれません。

▪️「運転日報」への荷役作業記録が義務化!

昨今の運送業界を取り巻く環境を考えた場合、EC市場の拡大などで荷物の取り扱い数が増加傾向にあるのは周知のことかと思います。
そんななか、トラックドライバーの長時間労働の要因のひとつとなっているのが荷待ち時間です。荷主庭先での荷待ちや、積み込み・積み下ろしといった荷役など、ドライバーが運転以外にも意外と多くの時間を割いているのが現状。
前述の通り、「働き方改革関連法」において“車両運転業務”は2024年4月から「時間外労働の罰則付き上限規制」が設定される予定となっています。
そのような情勢も踏まえ、国土交通省はトラックドライバーの長時間労働是正に向けて「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正省令案」を公表、今年6月からの施行を目指します。対象となるのは、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両に乗務したケース。具体的には下記の事項の記録が義務化されることとなります。

◆「運転日報」への追記義務化事項◆
・集荷地点(集荷および配送を行った地点)
・集荷地点への到着および出発日時
・荷役作業の内容と開始・終了日時
※場所、時間、内容、日時に関して、荷主から確認できた場合は、その旨の記載
※場所、時間、内容、日時に関して、荷主から確認できなかったまたは認められなかった場合は、その旨の記載
※荷主との契約書に、荷役作業の内訳などがすべて明記されている場合には、1回の配送業務で荷役作業に1時間以上要した場合にのみ記録対象となる

現在ドライバーごとに休憩または睡眠をした場合の地点・日時の運転日報への記録が義務付けられておりすでに運用されていますが、それに上記項目が追加されることでより正確に荷役作業などの実態を把握するとともに、労働時間短縮に繋げていきたい意向です。

▪️“車両運転業務”はどう変わっていくのか?

運転以外の業務時間も含むドライバーの業務時間の把握、適切な業務時間の実現を目指す 一連の“働き方改革“ですが、残業は原則月45時間かつ年360時間以内、繁忙期であっても月100時間未満、年720時間に設定された枠のなかでどのような業務計画を遂行していくのか、各企業の今後の動向が気になるところです。
法令によって労働環境の改善指標が示され、次は現場のオペレーションなど一つひとつの業務の見直しの段階へ入っていきそうですね。
たとえばドライバーの長時間労働を削減するためには、ドライバー自身による自己管理だけでなく、事業者と荷主との連携によるスムーズな連絡や協力も重要になってくるでしょう。
日報への詳細記録義務化などから見えてきた現場の「今」に応じて、今後政策がまた変わってくる可能性もあるかもしれません。その際には、またこちらのブログでも速報としてお伝えしていきたいと思いますのでご期待ください。いずれにしろ、ドライバーの労働環境改善への取り組みは着実に進んでいくことになりそうです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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