Cariotのコネクテッドなブログ

オフラインマップのススメ

今回から、青山学院大学 教授、マップコンシェルジュ株式会社 代表の古橋 大地様に「地図技術とナビ」というテーマで地図技術に関わる記事を「専門家ライター」として執筆してくださることになりました。今回はネットーク環境がない場所で活用されている「オフラインマップ」についてです。

はじめまして。「地図技術とナビ」をテーマにブログを担当させていただくことになった、マップコンシェルジュの古橋と申します。

 

早速ですが、地図アプリは何を選ばれていますか?
iPhoneのApple mapやAndroidのGoogleマップのように端末標準でついてくるアプリ。Yahoo!MAP、マピオン、MapFan のような人気地図アプリ。
Yahoo!カーナビやナビタイムなどのナビに特化したアプリ。登山用アプリYAMAPや車椅子ユーザー向けアプリWheelmap、古地図時層地図シリーズや地図ぶらりなどの街歩き用スマホアプリ。
そして地理院地図などモバイル用ウェブブラウザでも閲覧できる地図サービスへのショートカットリンク。

選択肢は沢山あれど、すべて地図アプリとして一括りにされてしまうとわかりにくくなってしまいます。

今の旬なアプリや、便利な地図サービス、そして今地図の業界にどんな変化がやってきているのか、そんな話題を中心に記事を展開してまいります。

今回は、「オフラインマップ」という視点で地図アプリを見ていきたいと思います。

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インターネットがつながらない環境でも便利な
地図アプリ

スマホの地図アプリは、インターネットがないと検索もできないし、地図もまともに表示しない。そんな誤解がありますが、それはオンラインマップの地図アプリを使っているからです。

Googleマップも国によっては、オフラインマップとして機能する場合がありますが、いくつかの地図アプリは、世界中どこでも持ち歩きたい地図情報を事前にダウンロードしておいて、インターネットがつながらない環境でも、安心して地図を閲覧することができます。そんな便利なツールをご紹介しましょう。

 

Googleマップが使えない新興国でも使える
充実したmaps.me

mapsme_shinjukuまずは、maps.me(マップス・ドット・ミー)という無料の観光ナビアプリ。
これは本当に便利ですので、何も迷わずインストールすることをオススメします。
特に、まち歩きに必要なレストラン、ホテル、公共施設などの情報はもちろん、最短ルート検索や無線LANが使える場所の検索もできます。
これらの地図情報が、インターネットに接続していない状態で持ち歩けるという便利さ。筆者は海外へ出かける際には、必ず目的地の地図を maps.me で事前にダウンロードしておき、空港についた瞬間からすぐさま現在地と目的地へのナビをはじめます。
また、地図のWikipediaとして有名な OpenStreetMap を使っているため、Googleマップでは地図が表示されないことも多い途上国や新興国でも、近年かなり充実した地図が利用でき、足りない情報は maps.me からも追加入力できます。

ルート共有ができる登山用アプリYAMAPは、
防災でも活用されている

YAMAPfukuoka次は、登山用アプリYAMAP。これはアウトドアが趣味な人には必須のツール。単なる地図確認のツールではなく、様々な方々の山行の様子や移動ルートをみんなで共有する、登山系SNSとして存在感があります。これら多くのユーザーからの投稿情報は、その周辺のオフラインマップとセットで簡単に持ち運びすることができます。
YAMAPの場合にはOpenStreetMapと地理院地図の二つが使い分けられており自動的に設定されます。どちらもウェブメルカトル図法で地図画像が配信されているため、技術的にこれらの二つの地図を簡単に読み込みオフラインマップとして機能することがYAMAPの良さです。
そして、その良さを最大限活かしているのが実は福岡市。YAMAPで福岡市中心部をズームインすると、福岡市防災情報がオフラインマップとしてダウンロードされます。
地図はオフラインマップとして利用可能な OpenStreetMap が自動的に選択され、昨今地方自治体で話題になっているウェブ地図のライセンス違反の横行を止めるためにも、オープンデータとしての利活用には可能性を感じています。

 

オフラインでもすぐに地図を確認できる
スマートウォッチ

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3点目が、CASIO PRO TREK シリーズの最新スマートウォッチ。
2017年4月に発売された「PRO TREK Smart WSD-F20」には液晶ディスプレイが搭載されており、オンライン状態ではGoogleマップ、オフライン状態では OpenStreetMapと地図を切り替えて使うことができます。やはり、登山などでアウトドアな環境での使用が前提とされているため、先述のYAMAPと同様、インターネットに接続していない状況を想定した上で、事前にダウンロードすることができますし、なにより腕時計タイプですので、必要なときに素早く地図を確認できる。

しかも、いわゆるGPSロガーとして、自分の移動軌跡をたどることができる点で、専用端末としての良さが光ります。

 

スマホの地図はオフラインでも使える

いかがでしたか?

インターネットが使えないところでは、今でも紙の地図に頼ることも多いのではないでしょうか。

今回ご紹介したのはいずれも、海外旅行や登山、アウトドアといったインターネット回線につながりにくい状況で安心して地図を持ち歩くことができるオフラインマップツール。

GoogleマップやYahoo!MAPといった、大人気だけれどもオンライン前提で設計された地図アプリとは一線を画するオフラインマップ。

日本国内でもプライベートや非常時用に是非使ってみてください。

 

furuhashi 古橋 大地 (Furuhashi Taichi) 氏 プロフィール
青山学院大学 教授、マップコンシェルジュ株式会社 代表、 OpenStreetMap Foundation Japan 理事、京都大学 防災研究所 客員教授、OSGeo財団日本支部理事。地理空間情報の利活用を軸に、Googleジオサービス、オープンソースGIS(FOSS4G)、オープンデータの技術コンサルティングや教育指導を行なっている。「一億総伊能化」をキーワードにみんなで世界地図をつくるOpenStreetMapに注力。GPS、パノラマ撮影、ドローンを駆使して、市民参加型地図づくりの未来実現に向けフィールドを駆け巡っている。

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