なぜ日本企業のDX成功率はわずか一桁なのか?〜DX推進の課題と成功のポイント〜

動態管理システムで推進するフィールドサービスのDX

フィールドサービスの生産性向上を実現するDX(デジタルトランスフォーメーション)の具体的な推進方法・デジタル化のメリットについてご紹介している資料です。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響による社会環境の変化は、企業活動にも大きな影響を与えています。流動的な社会環境において、従来の手法や経験則が通じない状況が発生しているケースも見受けられます。
このような先行きが不透明な状況にあっても、企業が競争優位性を確立し、変化の激しいビジネス環境に対応していくために、国を挙げて「DX/デジタルトランスフォーメーション」が推進されています。
しかし、多くの日本企業はその取り組みが遅れています。成功率はわずか一桁との調査結果が報告されているほか、さまざまな課題を抱えているとの現状が明らかになりました。

今回は、日本企業で「DX」の推進が進まない理由や「DX」推進に向けた具体的なアクションについてお伝えします。

 

1.日本企業における「DX」推進の実態

2020年12月に経済産業省が公表した「DXレポート2 中間取りまとめ」によると、約95%の企業は「DXに取り組んでいない」または「散発的な実施にとどまっている段階」であるとの結果を公表しました。この状況は「デジタル敗戦」であるともいわれています。

画像:経済産業省「DXレポート2 中間とりまとめ(概要)

コロナ禍において、企業経営を取り巻く環境が急激に変化する中、短期的な課題の解消はもちろんのこと、ポストコロナを見据えた長期的な観点からは、従来型の事業環境の刷新・転換を行うべき時期が来ているといえます。

見通しが立ちにくい経営環境下においても利益を確保し成長を続けるためには、本質的な「DX」に取り組むことで、顧客ニーズの変化に即時対応できる体制の構築、自社の課題を素早く洗い出し改善施策を講じることができる体制の構築が求められています。


 

2.なぜ「DX」が進まないのか?

2-1.「DX」の成功を阻む企業内の課題とは

日本企業で「DX」の導入・推進が進まない理由には、どのような理由・原因があるのでしょうか。

公益社団法人情報処理推進機構(以下、IPA)は、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」の中で、日本企業が抱える「DX」の課題と「DX」の成功を左右する要素としていくつかのポイントを挙げ、整理しています。

<平均的な企業の課題>

  • 企業トップの危機感とリーダーシップ、ビジョンの有無
  • 適切なガバナンスの欠如
  • 「DX」人材の育成・確保ができない
  • ITシステムの構築に課題がある
  • 事業部門のオーナーシップに課題がある

など

<「DX」成功のポイント>

  • 全社的な取り組みを行っている
  • IT業務がわかる役員がいる
  • IT人材が確保できる
  • 柔軟な組織文化がある

など

画像:公益社団法人情報処理推進機構「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査

また、同調査報告書では従業員数1,001名以上の企業の77.6%が「DX」への取り組みが進んでいるのに対し、従業員規模が下がるにつれ「DX」の取り組み比率が低下しているとし、企業規模による格差も明らかにしています。

加えて、「既存のジビネスモデルの抜本的な変革を行ない、成果を上げた」と回答した企業は全体の7.6%にとどまります。
成果を上げた7.6%の企業に関しても、取り組み内容は主に業務効率化・生産性向上などが中心で、企業文化や風土、組織の根本的な改革まで至っている企業はごく限られていることが判明しました。

関連記事:物流業界の抱える課題と求められるDX|実行が進まない障壁も解説

2-2.「DX」成功のカギは「経営層の理解とリーダーシップ」

多くの日本企業が「DX」に「取り組んでいない・成果が出ていない」と回答する中においても、着実に成果を上げている企業も存在します。
そのような企業には、下記の特徴が見られます。

<「DX」で成果を上げている企業の特徴>

  • 企業トップの「DX」に対するリーダーシップ
  • 全社的な取り組みを行っている
  • 明確なビジョンがあり、周知徹底をしている
  • リスクを取りチャレンジをしている
  • 多様な価値観受容
  • 仕事を楽しむ
  • 意思決定のスピード

など

(引用:公益社団法人情報処理推進機構「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査(報告書概要編)」)

IPAの調査報告書では、上記に加え、IT業務がわかる役員の比率が高いほど「DX」への取組みで成果を上げる割合が高いとしています。

画像:公益社団法人情報処理推進機構「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査

2-3.柔軟性のある組織運営が「DX」成功のカギ

「DX」を成功させるためには、柔軟性のある組織運営、意思決定の速さも重要なポイントです。
IPAの調査においても、多様な価値観を受容しチャレンジする企業ほど成果を上げていることが読み取れます。

画像:公益社団法人情報処理推進機構「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査(報告書概要編)

しかし、日本企業の多くに「年功序列」、「生え抜き」文化が根強く残っている現状があります。
そのため、企業の文化や風土として外部人材やITスキルが高い傾向にある若手人材の登用に難色を示したり、部署の垣根を超えた意思疎通が難しいケースや、一部の部署が抵抗勢力となったりするケースもあります。また、社長の在任期間が短いことも、長期的な視点からの改革が難しいとの指摘もされています。
このことから、「DX」を推進するために重要な項目として「企業風土の改革」が挙げられているのです。

マッキンゼーレポートでは、日本企業で「DX」導入が遅れていることに関し「デジタル改革の成功は、従来の企業変革よりも難しい」と評し、下記の3項目を「日本特有のハンディキャップ」として挙げています。

  1. 社内のデジタル人材不足
  2. 社長の年齢と在任期間
  3. 外部の人材が活躍しにくい組織文化

日本特有の企業文化や風土がもたらす課題を解消しないまま「DX」推進に舵を切ることは、全社的な改革を困難にする大きな原因です。

前項でもお伝えしましたが、「DX」の導入・推進は、現場だけでなく役員を含めた全社的な取り組みを実施することで達成に近づきます。
これらのポイントを踏まえると、経営層がリーダーシップを取り施策を断行することが「DX」成功に向けた重要なファクターとなることがわかります。

従来の企業文化・風土のすべてを一朝一夕には変革できないこともあります。しかし、経営を安定させ成長させていくためには「DX」への取り組みは必要不可欠です。
そのためには、少なくともITを理解する役員、デジタル変革を実施できる役職者、デジタル戦略を描ける人材の登用と活用を可能とする環境を整備することが、「DX」を成功に導くための分水嶺といえるのではないでしょうか。
 

3.50%以上が誤認識⁉「DX」の定義とは

「DX」という言葉は知っているものの、具体的にどのような取り組みを指すのか、何を行えばよいのかが明確ではない場合もあります。

経済産業省が2019年7月に取りまとめた「DX推進指標とそのガイダンス」では「DX」を下記のように定義づけています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」
 
(引用:経済産業省「DX推進指標とそのガイダンス」)

上記のことから、「DX」とは、デジタル化による事業部・部署ごとの業務改善ではなく、「事業・ビジネスモデル・ビジネスプロセス」そのものを変革することを指し、企業戦略の柱として実施されるべきものとしています。

しかし、各企業・事業所が取り組む「DX」の多くは、既存のビジネスモデル・運用プロセスを維持したまま、部分的なデジタルツールの導入やオペレーションの自動化の実施を「DX」と定義づけて、施策を実行している状況があります。
「新規のビジネスモデルを開拓する」という視点を欠いたまま、既存機能の追加や部分的な改修を「DX」と定義してしまうと、「デジタル変革」ではなく「デジタル改善」に取り組むことになってしまいます。

2021年4月に株式会社フレクトが実施した調査では、国内企業の管理職の実に50%以上が「DX」を誤認識しているとの結果が出ています。

同調査では、67%の企業が「自社で「顧客接点の変革」や「サービス商品の変革」、「ビジネスモデルの変革」といった「デジタル改革」にあたる『攻めのDX』に取り組んでいる』」と回答していますが、実情としては「コスト削減」や「業務プロセスや業務システムの改善」といった「デジタル改善」にあたる『守りのDX』にとどまっていることが多く、国が定義する「DX」との剥離が浮き彫りとなりました。
また、「『DX』推進に踏み切れない」と回答した企業の約6割は、IT人材不足が課題であることも明らかになりました。

これらのことから、「DX」の導入・推進で経営全体の変革を成し遂げるためには、それらを実行できる人材の確保・育成、部署を横断した体制構築と社員の理解・協力が必要不可欠であるといえます。
 

4.「DX」推進に向けた具体的なアクションステップ

ここからは、「DX」推進に向けた具体的な改善プロセス・アクションについて考えます。

経済産業省の「DXレポート2(中間取りまとめ)」では、「コロナ禍で明らかになったDXの本質」と「取り組むべきアクション」として、下記のように記しています。

画像:経済産業省「DXレポート2(中間取りまとめ)

<「DX」実現のため取り組むべきアクション>

  1. 業務環境のオンライン化
  2. 業務プロセスのデジタル化
  3. 従業員の安全・健康管理のデジタル化
  4. 顧客接点のデジタル化

画像:経済産業省「DXレポート2中間取りまとめ(概要)

過去のCariotブログでもお伝えしましたが、経営環境の変化に伴い、顧客からのニーズも変化を続けています。
それらへの迅速な対応を行い、企業の成長と安定化を実現するためには、本質的な「DX」への取り組みは喫緊の課題です。

本質的な「DX」推進の第一歩として、業務ごと・部署ごとの現状と課題を洗い出すための「業務のデジタル化」を行うことが効果的です。
「業務のデジタル化」を進めることでボトルネックを発見・改善することが、ひいては真の「DX」導入・推進に向けた全社的な取り組みを可能とする体制構築につながります。
 

5.業務最適化クラウド「Cariot」を活用したDX推進

モビリティ業務最適化クラウドCariotでは、車両を使った業務プロセスのオンライン化・デジタル化をサポートするさまざまな機能をご用意しています。

■車両の現在位置をオンラインで把握
・エリアマップ
地図上で車両の現在地が確認できる機能です。3秒に1回更新される情報を画面で確認するだけで、車両の「今」がリアルタイムで把握できます。
ドライバーとの電話連絡が不要となり、問い合わせ対応を減らすことができます。

・DriveCast
本機能で発行されるURLを社外の関係者に送信・共有することで、オンラインで車両の位置情報共有が完結できます。

■日報・月報の自動化およびデジタル化
・運転日報/月報
日報や月報の作成業務を自動化することができます。
集計作業にかかる時間を大幅に削減でき、事務作業の業務負担も軽減します。総走行時間・総走行距離も自動で集計されます。

■走行実績および訪問履歴の自動取得・データ蓄積
・走行データ
Cariotは各車両がどのようなルート、順序で取引先を訪問しているのかという走行実績を自動取得しています。取得したデータから、効率的な順序で訪問しているのか、折り返し走行など非効率なルートを走行していないかなどの改善箇所の洗い出しができます。

・レポート機能
利用者別・部署別・車両別など目的に合わせたレポートを作成することができます。
集計したレポートを元に業務プロセスや組織体制の見直しに取り組める体制が整うため、本来、時間を割くべき業務に集中できる環境の構築をサポートします。

・訪問ステータス
いつ・どこに・訪問したか、どのくらい滞在していたのか、どのような業務を行ったのかを記録できる機能です。
ドライバーの業務実態を正確なデータで把握できるため、適正な労働環境の整備につながります。

Cariotは多くの企業様のDX推進をサポートしています。実際の活用事例はCariotのWebサイトの「導入事例」をぜひご覧ください。


 
 
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