宅配便取扱実績が過去最高43億個に!「宅配クライシス」にどう対応する?

2019.11.07車両管理ニュース
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こんにちは、Cariot(キャリオット)編集部です。

10月1日、国土交通省は2018年度の宅配便・メール便の取り扱い実績を発表しました。
宅配便は43億701万個で4年連続の増加。一方でメール便は50億2112万冊で2年連続の減少となっています。
今回は、データが示す宅配便取扱実績の最新動向から、宅配業者を取り巻く環境の変化、課題解決に向けたキーワードまでトピックスをまとめてご紹介します。

【目次】
1. トラック、航空機…。宅配便・メール便取扱実績の概要
 1-1. 宅配便は4年連続増加、過去最高を更新!
 1-2. メール便は2年連続減少、前年比−4.8%に

2. 配送遅れ、長時間労働、トラック渋滞…。顕在化する荷量増加による課題
 2-1. 日本国内のEC化率は「BtoB」30.2%「BtoC」6.22%に
 2-2. 宅配業界が直面する「宅配クライシス」とは
 2-3. 荷物積み替えに6時間!東京港でトラック渋滞が慢性化

3. 置き配、個人配送網…。宅配の新たな形が解決のキーワード!?
 3-1. 再配達削減に有効?不在時の「置き配」
 3-2. ドライバー不足を救う?「個人配送網」

1. トラック、航空機…。宅配便・メール便取扱実績の概要

1-1. 宅配便は4年連続増加、過去最高を更新!

「ドライバー不足」は日本特有の課題?世界の物流事情から解決策を探るのブログ記事などでもご紹介させていただいたように、近年のEC市場の拡大に伴い宅配便取扱数は年々増加しています。

以下、国土交通省「宅配便取扱個数の推移」グラフから分かるとおり、2018年(平成30年)には過去最高を更新。特にここ数年の増加率は目を見張るものがあり、今後も増加が予測されています。

◆宅配便取扱個数の推移

※出典:国土交通省「平成30年度宅急便等取扱実績関係資料」より

1-2. メール便は2年連続減少、前年比−4.8%に

それに対し、メール便の方は減少傾向に。以下グラフの通り、2014年(平成26年)に約54億冊であったものが2018年(平成30年)は約50億冊に。前年2017年と比べて-4.8%となっています。
取扱個数自体は依然宅急便より多いものの、年々差が縮まりつつある状況のようです。


※国土交通省「平成30年度宅急便等取扱実績関係資料」を元に作成

2. 配送遅れ、長時間労働、トラック渋滞…。顕在化する荷量増加による課題

2-1. 日本国内のEC化率は「BtoB」30.2%「BtoC」6.22%に

宅配量増加の背景にあるものが“EC市場規模の拡大”である旨は10連休が与えた物流業界への影響と今後の配送/車両管理ブログ記事の中などでお伝えしておりました。
ここで、経済産業省がまとめた最新の「BtoB」「BtoC」におけるEC市場規模データを見てみましょう。

※経済産業省 平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査) を元に作成
※EC化率:実際の店舗を含むすべての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC市場規模の割合

まず「BtoB」の2018年EC市場規模は344兆2,300億円。前年比8.1%と成長を続けていることがわかります。続いて「BtoC」は17兆9,845億円。前年比8.9%増とこちらも引き続き高い伸び率で推移しています。
EC化率をみていくと、「BtoB」で30.2%(0.8%増)、「BtoC」で6.22%(0.43%増)、といずれも増加傾向にあり、商取引の電子化も年々進展していることがわかります。

2-2. 宅配業界が直面する「宅配クライシス」とは

“荷物の配送”によってEC化を支える宅配業者ですが、増え続ける配送量に対し、特に都市部などでは今まで通りの配達が難しく、もはや崩壊寸前といった声もきかれるように。
こうした背景のなかで、2017年頃からは荷物の配送遅れや、配達員の長時労働などさまざまな問題が「宅配クライシス」として顕在化するようになってきました。

2-3. 荷物積み替えに6時間!東京港でトラック渋滞が慢性化

EC化によりモノのやりとりがグローバルに、いつでも気軽にできるようになったことにより外貨貿易もさかんになっています。2018年東京湾での外貨貨物輸入量は約3650万トンと輸出量の3倍弱にのぼっています。「衣服・日用品・はきもの」「電気機械」「製造食品」などの輸入が多く、外貿コンテナの取扱個数は20フィートコンテナ換算で約457万個と過去最高に。

それに伴い、東京湾周辺では荷物を受け取るトラックの渋滞が深刻化し、港に着いた船から荷物を積み替えるコンテナヤードに入るのに6時間かかるといったケースも出てきているようです。結果、荷物の受け渡しが滞り、配送の遅れやトラブルが起きやすくなるという問題も発生している様子。

3. 置き配、個人配送網…。宅配の新たな形が解決のキーワード!?

さて、大小の規模を問わず日本市場に押し寄せているEC化の波は、今後ますます大きな流れとなるのではないでしょうか。
消費者の“便利”、“快適”を叶えるため、配送業者もドライバーの長時間労働や宅配料金の値上げなどで対応を行ってきました。それでも根本解決に至らない現状を受け、新たな戦略を試みる企業が出てきています。

3-1. 再配達削減に有効?不在時の「置き配」


「ドライバー不足」は日本特有の課題?世界の物流事情から解決策を探る
のブログ記事でご紹介しましたように、日本の宅配において再配達率の高さは大きな問題となっています。


※PwCコンサルティング「2018年グローバル物流実態調査」を元に作成

それに対し、配送業者の中で荷物を玄関などに置いて届ける「置き配」の導入によって配達の効率化を図ろうとする試みが始まってきています。
消費者が商品注文の際に玄関や車庫、自転車のカゴなどあらかじめ配達場所を指定することで、配達員は受取人の在宅にかかわらずサイン不要で配達を完了させることが可能になります。
ただし積極的に戦略を進める業者がある一方で、盗難等のリスクから慎重姿勢を崩さない業者までさまざまです。米国や中国ではすでに一般化されており、日本でも盗難時の補償など不安が払拭できれば一気に浸透するのかもしれません。

3-2. ドライバー不足を救う?「個人配送網」

また同ブログの中で、ドライバー不足が慢性化している日本に対し、EC化率が日本の約2倍と進んでいるドイツでは、ドライバー不足に悩んでいない実態をお伝えしました。都市部の輸送は自国の若者が大型バンで対応するなどし、宅配業者のみに頼らない独自のワークスタイルがドライバー不足回避のポイントとなっていたようです。

実は、そういったスタイルも日本に導入されつつあります。
日本最大級のECサイトを運営する企業では、商品の個人配送を一部でスタートしています。個人配達員の対象は、貨物軽自動車運送事業の届け出をした軽貨物車(黒ナンバー)を持つ20歳以上の個人で、受注から最短2時間で商品を届けるサービスなどの配送を担当します。配達員2時間単位の業務でより柔軟に働くことがき、ドライバー不足の隙間を埋めるような新たな働き方として注目を集めています。

これらの取り組みが「宅配クライシス」解決のための有効手段となり、宅配をはじめとする物流環境の最適化に繋がるのかどうか、今後も注視していきたいところです。
 
 
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