日本郵便“翌日・土曜配達”を来年休止。働き方改革で「週5日」配達へ

2019.08.26車両管理ニュース
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こんにちは、Cariot(キャリオット)編集部です。

皆さまは、最近手紙やハガキを出しましたか? やりとりはほとんどスマートフォンで済ませてしまい、以前より郵便は利用しなくなったという方も多いのではないではないでしょうか?
実際、インターネットの普及により郵便物量は減少の一途をたどっています。そのような背景などもあり、郵便の翌日・土曜配達が来年にも休止されることになりそうです。今回は、休止に至る経緯からその理由、休止となった場合の個人・企業への影響までをまとめてお届けいたします。
 
 
【目次】
1.郵便の翌日・土曜配達が休止へと進んでいる
 1-1.インターネットの普及で郵便物数は年々減少
 1-2.通信手段の多様化により、郵便に求められるニーズも変化
 1-3.日曜除く「週6日」の郵便配達が、平日のみ「週5日」へ

2.配達日変更による個人への影響は?
 2-1.金曜日までに届けたい場合、いつ出さないといけないのか?
 2-2. 速達扱いは現行と変わらず

3.郵便局の「働き方改革」のメリットと他の企業への影響は?
 3-1.郵便事業が抱える人的課題は?
 3-2.平日日勤帯、荷物分野への人員補強でサービス強化へ
 3-3.他の企業の反応、影響は?

4.法改正で安定的なユニバーサルサービス継続へ
 4-1.実施は2020年秋頃となる見込み
 4-2.時代に即した郵便サービスへ
 
 

1.郵便の翌日・土曜配達が休止へと進んでいる

1-1.インターネットの普及で郵便物数は年々減少

近年のインターネットおよびスマートフォンの普及によって、個人・企業を問わずメールやSNSで素早くやりとりが行えるようになってきました。
またビジネス書類のWeb化やクラウド化なども相まって、国内郵便物数は下記グラフのとおり2001年度の262億通をピークに、2017年度には172億通へと35%も減少しています。

◆郵便物数の状況

 
出典:総務省 郵便事業の現状について
※インターネット普及率およびスマートフォン契約比率は総務省「通信利用動向調査」「情報通信データベース」より

 

1-2.通信手段の多様化により、郵便に求められるニーズも変化

このように、通信手段の多様化によって郵便を取り巻く環境は年々変化しており、郵便に求められているニーズもまた変わってきているのが現状です。

郵便に求められるニーズは多岐に渡りますが、例えば迅速性、同報性、低廉性などといったニーズは電子メールで代替されるように。一方で、儀礼例、現物性、証拠性の面については現在も郵便に求められていることなのではないかと思います。
 

1-3.日曜除く「週6日」の郵便配達が、平日のみ「週5日」へ

現行の郵便法では、郵便物の配達頻度は「週6日以上」、郵便物の投函から配達までの期限は「3日以内」と定められています。
それに則り、郵便物の配達は基本的に決まったルートを週6日集配する運用をしています。前述のとおり郵便物が減少している中で、1箇所あたりの配達物数が少なかったり、郵便物がない箇所が出てきているようですが、いずれの場合も固定費用は発生することから、収支が立たない状況が続いているといいます。

このままサービスを維持した場合、近い将来大幅な赤字となることが予想されています。そのような背景から日本郵便は2018年から、手紙やはがきの配達頻度を「週5日以上」、配達期限を「4日以内」と変更することで、土曜配達と翌日配達を休止とすることを政府に求めていました。

これを受けて、2019年8月6日、総務省の有識者委員会は上記制度変更を了承しました。早ければ秋の臨時国会に郵便法改正案が提出され、2020年には土曜・翌日配達が休止となる見込みです。

 

2.配達日変更による個人への影響は?

2-1.金曜日までに届けたい場合、いつ出さないといけないのか?

この法改正が実現すると、普通扱い郵便の場合、以下の表のように配達日が変更されることになります。
翌日配達が休止されることで、基本的には中1日を見ておく必要が出てきます。
土曜配達がなくなることによって、最大で三日の差が生じることに。木曜日に差し出した場合、今までは金曜配達だったところが翌週月曜日になります。週をまたがずに届けたい場合は、水曜日までに差し出さないといけなくなります。

◆配達日改定案(普通扱いの郵便物)

 

2-2.速達扱いは現行と変わらず

上記のように迅速性という面からするとサービス低下は否めませんが、速達は現行通りに土日含め翌日配達を実施予定としています。必要に応じて速達を利用することで、スピード面も継続していくようです。

消費者側からするとサービスの使い分けが必要とはなりますが、早く届けたいニーズにも対応できる体制であることから、影響の範囲は限られるといっていいのかもしれません。

 

3.郵便局の「働き方改革」のメリットと他の企業への影響は?

3-1.郵便事業が抱える人的課題は?

現在、週6日の配達を維持するために、全国の郵便局で土曜日に14.6万人が出勤しています。また、配達日数遵守のため、夜間や深夜労働に依存しているといった現場の実態が。
さらにはEC市場成長に伴う「ゆうパック」など荷物分野の仕事量増の影響によって、社員の長時間労働も問題となっています。
働き方改革への対応からしても、これらの状況を改善することが喫緊の課題であるようです。
 

3-2.平日日勤帯、荷物分野への人員補強でサービス強化へ

日本郵便によると、改正法案が成立すれば、年間約600億円の収支改善につながるといいます。また、土曜配達の休止で配達員4万7千人、翌日配達の休止で深夜の郵便物仕分担当者5600人を、それぞれ平日や昼間の郵便および荷物業務に振り向けられるようになる見込みです。
 

3-3.他の企業の反応、影響は?

民営化されているとはいえ、郵便事業は社会全体で均一に維持されるべき公共的なサービスであることに変わりはありません。法改正にあたり、総務省の有識者委員会は今年3月論点整理案を公表し、企業などから意見公募をしていました。
その中で、宅配便を取り扱う陸運業大手のある企業からは、「競合領域の“荷物”サービスを維持するために独占的領域の“郵便”サービスを低下させることに他ならない」「本来国民にとって守られるべきユニバーサルサービスを軽視している」といった意見などがあがっているようです。

これを受け、同委員会では日本郵便へ確認を行い「郵便と荷物の事業を一体として行っている中で、適切な費用配分が行われており、両サービスを切り分けた上で議論を進めている」といった旨を回答しています。

 

4.法改正で安定的なユニバーサルサービス継続へ

4-1.実施は2020年秋頃となる見込み

ここまで、翌日・土曜配達が休止へと進んだ背景を、社会環境の変化やそれに伴う郵便事業の収支、労働環境面などさまざまな角度からみてきました。

日本郵便としては、将来にわたって安定的に郵便サービスを継続させるために一刻も早い法改正を望んでいましたが、実際には当初想定していた2020年4月から半年ほど遅れて早くても秋頃の実施となりそうです。
2019年度の国会は、会期中の4月に統一地方選、令和天皇即位によるGW10連休、6月の大阪G20サミット、7月の参院選…と、国会日程がタイトのため所轄する総務省は国会への提出を見送ったという経緯があったようです。
 

4-2.時代に即した郵便サービスへ

そんな、日本郵政にとっては悲願ともいえる今回の法改正。約20万人の社員の労働環境改善といった「働き方改革」を遂行する大きな方策といえるのかもしれません。一方、他の配送企業にとっては懸念材料となりますが、これを機に物流問題のあらたな改革のきっかけになればとも思います。
また、郵便サービス自体が低下となるのかどうか、このあたりにも注視していきたいところです。
 
 

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