「ながらスマホ」一瞬の油断が招く運転中事故の真実

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

「ながらスマホ」とは、運転中にスマートフォンを使用する行為を指し、通話やメール、SNS閲覧、ナビ操作などが含まれます。この行為は、深刻な交通事故を引き起こす原因となることが増えています。現代社会におけるスマートフォンの浸透とともに問題が拡大しており、特に若年層を中心に運転中の悪習慣として広がっています。
大きな事故につながる前にその危険性を強く認識し、意識改革をしていきましょう。

 

1.「ながらスマホ」の実態とその危険性

「ながらスマホ」とは?定義とその広がり

「ながらスマホ」とは、自動車や自転車を運転している最中にスマートフォンを使用する行為を指します。この行為には通話、メール、ゲーム、SNSの閲覧、ナビゲーションの操作などさまざまな形態があります。
現代社会においてスマートフォンは日常生活で欠かせないツールとなっていますが、運転中の使用は深刻な交通事故を招く要因の一つとされています。とくに近年、デジタル化が進むにつれ「ながらスマホ」の習慣が広がっており、ドライバーをはじめ多くの人々にとって安全運転への大きな障害となっています。

見逃せない実態:交通事故統計が示す悲惨な現実

交通事故統計によると、運転中のスマートフォンの使用が原因となる事故が増加しています。令和6年のデータでは、携帯電話等の使用が原因で発生した死亡・重傷事故件数は136件に上り、このうち死亡事故の発生率はスマートフォンを使用しない場合の3.7倍にも及びます。

さらに、事故を引き起こした運転者の約50%が20代から30代という若年層であるという事実も見逃せません。これらの統計は、「ながらスマホ」がいかに危険な行為であるかを如実に示しています。

参考:警察庁「令和6年における交通事故の発生状況について」
   警察庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」

「ながらスマホ」の行為形態と危険レベルの比較

「ながらスマホ」の行為形態にはさまざまな種類がありますが、その危険性には大きな差があります。例えば、通話中であってもハンドフリーで使用する場合と、手で保持して通話する場合とでは危険性が異なります。
また、スマートフォンの画面を注視しながら操作する行為は、特に目の前の状況をまったく認識できなくなるため、極めて高い危険性を伴います。

違反内容により道路交通法上の罰則も異なりますが、いずれの行為も事故を招く要因となることは明らかです。

直線路で起こりやすい不注意運転の実例

「ながらスマホ」は、直線路で特に多くの事故を引き起こしています。直線路ではカーブや交差点に比べて一見リスクが少ないように感じるため、スマートフォンを操作するドライバーが増加する傾向にあるのです。
しかし、その油断が大きな事故に直結することがあります。例えば、高速道路での前方不注意による追突事故や、視線をスマートフォンに奪われた結果、道路を横断している歩行者を発見できず衝突したケースなどが報告されています。
これらの事故はすべて、「ながらスマホ」への一瞬の意識の切り替えが大惨事を引き起こすことを物語っています。

 

2.道路交通法改正による罰則強化とその効果

ながらスマホに対する厳罰化の背景

「ながらスマホ」による運転中の事故が深刻な社会問題となり、これを背景に道路交通法が厳罰化されました。そのきっかけのひとつは、2016年に愛知県で発生した死亡事故です。このケースでは、運転中にスマートフォンを操作したことが原因で交通事故が発生し、命を落とした被害者がいたことが社会に大きな衝撃を与えました。
また、交通事故統計が示すように、スマートフォン操作による事故の危険性は極めて高く、法改正による罰則強化が実施されました。

改正後の罰則内容とは?免停・懲役刑の可能性

2019年12月に施行された改正道路交通法では、スマートフォンの通話や画面注視といった「ながら運転」に対する罰則が大幅に強化されました。具体的には、運転中にスマートフォンや携帯電話を保持して通話や画像を注視している場合には、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が課されます。
また、事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合には、違反点数が6点となり免許停止の対象となるほか、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
これにより、運転中にスマートフォンを操作することが重大な違反行為であるという認識が広がりました。

罰則強化の効果:事故減少と依然残る課題

罰則強化の実施後、交通事故の件数は一時的に減少しました。特に、改正翌年の令和2年には、スマートフォン使用による交通事故件数が大幅に減少したことが報告されています。
しかし、令和3年以降は再び増加傾向に転じている現状も見受けられます。これには、運転中にスマートフォンを操作する危険性についての認識不足や、一部のドライバーによるルール軽視が関係しています。
罰則強化は一定の効果をもたらしましたが、交通安全意識のさらなる向上が必要であり、持続的な注意喚起が求められています。

参考:内閣府「運転中の携帯電話使用等対策」

自転車利用者への適用:新たなルールの導入

令和6年11月1日から、自転車利用者に対しても「ながらスマホ」を厳しく取り締まるための改正道路交通法が施行されています。これにより、自転車運転中にスマートフォンを手で保持して通話や画面を注視する行為に対しては、自動車と同様の、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。
また、相手に怪我を負わせた場合には、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が適用されます。

この改正は、自動車だけでなく自転車にも交通ルールを徹底させ、交通事故のリスクを減少させる狙いがあります。特に、自転車利用者の事故防止に向けた教育や啓発活動も今後重要とされるでしょう。

 

3.「ながらスマホ」が招く一瞬の油断の影響と事例

実際のケース:交通事故の原因とその結果

「ながらスマホ」による交通事故は、ほんの一瞬の不注意が取り返しのつかない結果を招いた事例が多々あります。特に、運転中にスマートフォンの画面を注視したり、通話や入力操作を行ったりする行為が事故の主な原因となっています。

あるケースでは、高速道路を走行中のトラックがスマートフォンを操作しながら運転し、停止中のパトカーに衝突し大きな追突事故となりました。この事故では警察官が命を落としており、ながらスマホが「安全運転」を妨げる大変な危険行為であることを象徴しています。

また、別の例では、高速道路でトラックが乗用車に追突し、幼い命が奪われました。こちらもながらスマホがもたらした悲しい事故です。

参考:https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2024/07/101308.shtml
   https://www.yomiuri.co.jp/national/20250422-OYT1T50145/

ながらスマホが心理的・認知的に及ぼす影響

「ながらスマホ」は、運転中の心理的・認知的な能力に多大な悪影響を及ぼします。運転者がスマートフォンを操作すると、注意の焦点が道路や周囲の状況から外れ、状況認識力や反応速度が著しく低下します。
特に、視覚的要素を伴うスマホ操作は、ドライバーの脳が「運転」と「操作」という二重のタスクに対処しなければならないため、集中力が分散します。
これにより、道路交通法が求める安全運転が著しく損なわれ、結果として交通事故のリスクが大幅に高まります。

被害者が受ける影響:身体的・精神的な苦痛

「ながらスマホ」による交通事故の被害者は、身体的なダメージだけでなく、精神的な苦痛にも長期間悩まされる事が少なくありません。重大な交通事故では、多くの場合、骨折や内臓損傷といった重傷を負うケースが多く見られます。その治療とリハビリには長い時間が必要であり、社会復帰が困難になることもあります。
また、事故のトラウマから心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症することもあり、日常生活に深刻な影響を及ぼします。このような被害者の苦しみを見ると、「ながらスマホ」が引き起こす事故の深刻さが改めて浮かび上がります。

家庭や社会に広がる事故の余波

「ながらスマホ」が原因の交通事故は、被害者や加害者の家庭、そして社会全体にも影響を及ぼします。例えば、被害者が長期入院やリハビリを必要とする場合、家族は精神的なサポートだけでなく、経済的な負担も強いられることになります。
また、加害者側も道路交通法違反による罰則や経済的な賠償負担を抱え、社会的信用を失う可能性があります。
さらに、職場や地域社会にも余波は広がり、業務の遅延やコミュニティ間での信頼問題が発生することも少なくありません。このように、「ながらスマホ」による事故は当事者だけでなく周囲を巻き込み、多大な影響を及ぼすのです。

 

4.ながらスマホを防止するための取り組みと提案

個人ができる注意喚起と心がけ

「ながらスマホ」を防止するためには、まず個人の意識改革が重要です。運転前にスマートフォンをドライブモードに設定し、通知をオフにすることで、運転中に気が散るのを防ぐことができます。
また、車を運転する前にすべての電話やメッセージに対応し、緊急時以外は安全な場所に停車してから操作する習慣を心がけることが大切です。
加えて、自分だけでなく家族や友人にも交通安全の大切さを伝え、注意喚起を行うことも効果的です。このような小さな行動が、「ながら運転」を根絶する一歩となります。

企業や自治体での防止キャンペーンの展開

企業や自治体でも「ながらスマホ」を防ぐための取り組みが進められています。広報キャンペーンや啓発ポスターの掲示、講習会の実施など、交通事故を減らすための情報提供が行われています。
特に自治体では、小・中学校を対象に子どもたちへの交通安全教育を行うことで、若い世代が早い段階から危険性を理解できるように取り組んでいます。
また、企業も社員教育や社内ルールで「ながら運転」を防ぐ動きを見せています。こうした取り組みが広まることで、社会全体で交通事故を減少させることが期待されています。

技術的アプローチ:運転中スマホ使用防止アプリの導入

技術を活用した運転中の「ながらスマホ」防止も効果を上げています。
スマートフォンには、運転中の使用を制限するアプリや「ドライブモード」機能があります。これらのアプリは、車の移動を検知して自動で通知を無効にしたり、発信者に運転中である旨を伝えるメッセージを送ることができます。
また、企業車両にデジタコ(デジタルタコグラフ)を導入し、運転中の操作を抑制する仕組みを構築する事例も増えています。こうした技術的アプローチは、特に交通事故の多発が懸念される時間帯やエリアでの有効性が高いとされています。

教育・広報の重要性:事故を減らすための学び

「ながらスマホ」を防止するためには、教育と広報の役割も非常に重要です。学校教育の場で交通マナーや危険性について学ぶ機会を提供することで、次世代のドライバーに意識を高めてもらうことができます。
また、企業が従業員向けの安全運転講習を行うことで、プロフェッショナルなドライバーを含む全ての社会人に対して効果的な啓発が可能です。
さらに、メディアを通じて「ながらスマホ」の危険性や交通事故の実例を周知することで、多くの人がそのリスクを身近に感じることが期待されています。このような教育と広報活動が進むことで、交通事故抑止につながる社会的な意識改革が進むでしょう。

 

5.まとめ

運転中の「ながらスマホ」は、一瞬の不注意が命に関わる重大な問題です。その危険性を深刻に受け止め、個人や社会全体で対策を講じることが求められています。罰則強化だけでなく、教育や啓発活動、技術的な支援を通じて広範囲から事故防止への取り組みが進むことを期待したいところです。この問題に対する一人ひとりの意識改革が、より安全な交通社会の実現につながります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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