「ながら運転厳罰化」施行 その後の動向と海外事情

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

スマートフォンなどの機器を操作しながら運転する「ながら運転」で重大事故が相次いでいることから、今年12月1日から「改正道路交通法」が施行されました。「ながら運転」で事故を起こした場合は、即免許停止だけでなく刑事罰の対象になるなど、違反者に対してとても厳しい改正内容となっています。
今回は「ながら運転厳罰化」後の注意点と、海外の「ながら運転」への処罰についてまとめました。

【目次】
1.「ながら運転」厳罰化がスタート!その後の動向は?
 1-1.どこまでがOK?どこまでがNG?分かりにくい違反の線引き
 1-2.「注視」はどのくらいの時間?その基準とは
 1-3.「ながら運転」を減らすために〜新サービスのあれこれ〜
2.海外の「ながら運転」事情と日本国内の実証実験
 2-1.日本でのきっかけは「運転中のスマホゲームで死亡事故」
 2-2.海外での規制・対策の具体的な事例
 2-3.日本で行われた「ながら運転」の実証実験、その結果は

 

1.「ながら運転」厳罰化が施行。その後の動向は?

1-1.どこまでがOKで、どこまでがNG?分かりにくい違反の線引き

Cariotブログでも複数回に分けてお伝えしてきましたが、2019年12月1日から、改正道路交通法が施行され「ながら運転」の罰則が強化されました。
同法が施行された今月初旬、警察は各地で一斉取り締まりを行なっています。5日付の紀伊民報によると、同月4日、和歌山県警は17件を検挙しています。

【過去記事】
改正道交法が12月1日施行。「ながら運転」が厳罰化、違反点数・反則金3倍、懲罰刑も!
“ながら運転”で懲役刑も!「改正道路交通法」が年内に施行決定!
“道路交通法改正”で運転中の携帯電話使用が厳罰化されます
改めて法改正の内容をおさらいすると、

■ながら運転とは「運転以外の行為をしながら運転すること」

  • 通話(携帯・スマートフォン)
  • 通信(携帯・スマートフォン・タブレット・PCでのメッセージ等の確認)
  • カーナビの注視、操作
  • オーディオ、エアコンの操作
  • 新聞、雑誌、書籍、書類を読む
  • 飲食、喫煙、化粧など
  • 会話
  • 運転と直接関係ないところへ意識や視線を向けること


画像:政府広報オンラインより引用

■運転中に携帯等を手に持って通話・通信をした場合

  • 違反点数:3点
  • 反則金:携帯電話使用等(保持)反則金
  • 大型車:7000円→2万5000円
  • 普通車:6000円→1万8000円
  • 二輪車:6000円→1万5000円
  • 原付車:5000円→1万2000円
    ※車種ごとに従来の約3倍に引き上げ
  • 罰則:6月以下の懲役または10万円以下の罰金

■ながら運転で交通事故を起こしたり、危険に結びついた場合

  • 違反点数:6点
  • 罰則:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
    ※反則金ナシの即、罰則を適用

となります。
道路交通法第71条5の5では、
「自動車または原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置、その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る)を、通話のために使用し、または当該自動車等に取り付けられ、もしくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」
とされています。
※傷病者の救護や公共の安全の維持のため、走行中にやむを得ずに行う場合は除外されます。
運転中の通話自体は違反になりませんが、携帯電話やスマートフォンなど、ドライバーが直接手に持つ必要がある機器の操作はできません。また、赤信号で停車しているときにそれらを操作しても違反にはなりません。

運転中の通話が必要になる場合は、ハンズフリーにすれば違反になりませんので、「スマホホルダーを取り付けていれば通話をしても大丈夫」ということになりますが、手に持たないときでも「画面を注視している」と判断されると違反になりますので、この使用法には注意が必要です。

 

1-2.「注視」とは、どのくらいの時間?基準は?

車内で「画面を注視する機器」といえば携帯電話・スマートフォンの他に、「カーナビ」があります。この操作は違反になるのでしょうか?
調べたところ、「運転中にカーナビの操作・注視」は違反になります。操作は停車中に行うことが基本です。

ここで気になるのは、どのような状態が「注視」と見なされるかという点ですが、実はその基準は明示されていません。 実際の取り締まりの現場では、警察官のその場の判断に委ねられることになりそうです。

ドライバーとしては、どのくらいの時間が「注視」になるのか、判断基準が曖昧だと不安が残ります。
警察庁の資料によると「運転者自身が危険を感じるのは約2秒」との調査結果が公表されています。

画像:警察庁HPより

時速60キロで走行した場合、2秒間で進む距離は約33.3メートルです。
時間としては一瞬ですが、体感している以上に車は移動距離を伸ばします。よそ見をしながら車を走らせた場合、車の進行方向に歩行者がいれば人身事故を起こしかねず、とても危険な行為であることがイメージできると思います。
事故を起こさないためには、走行時の携帯・スマホ・タブレット・カーナビを操作しないこと・機器の操作が必要なときは、安全な場所で車を停止させてから使用するのが最善です。
運転中にイヤホンなどを使用することもあるかと思いますが、外の音が聞こえる状態を保つ必要があります。使用してもよいかどうかについては、各都道府県の条例に定められていますので、事前に確認してから運転してください。

 

1-3.「ながら運転」を減らすために 新サービスのあれこれ

車両の安全運行・運転をサポートする便利な機器が数多く開発・リリースされる中、「ながら運転」による交通事故は年々増加しています。中でも「携帯電話等の使用による交通事故」は増加率が著しい事故原因となっており、5年間で約1.4倍に増加しています。


画像:政府広報オンラインより引用

同じく携帯電話の使用等で発生した死亡事故の比率は、約2.1倍になっています。


画像:警察庁HPより引用

企業としては、日々の業務の中で起きる小さなアクシデントや「ヒヤリ・ハット」のすべてを把握することは容易ではありません。しかし、業務を安全かつ円滑に遂行するためには、業務効率化とともに重大事故に発展しかねない事態への予防対策を講じる必要があります。

車両運行業務をサポートするサービスを展開する各社は、ドライバーの目の動きを感知して運転姿勢を知らせるアプリ、運転時にスマホの操作を停止するアプリ、スマホの地図アプリとカーナビを接続するとスマホの操作ができないようにするアプリなど、「安全運転サポートシステム」をリリースしています。
車にAIを搭載した機器を設置し、「あおり運転」を検知して警告を出すシステムもあり、どれもが「ドライバーの安全確保と業務効率化」を両立するために必要になるものばかりです。

クラウド型車両管理システム「Cariot」は12月10日、ドライバー向けスマートフォンアプリに、運転中はアプリの操作ができなくなる「ながら運転防止機能」、管理者とドライバーの間でメッセージを残すことできる機能をリリースしました。

その他にも、車両運転業務を行う際に生じるさまざまな問題点や課題を解決するサービスもご用意しています。
車両運行にまつわる各種データを「見える化」することで、問題の把握・解決がしやすくなり、迅速な対応が可能になります。きめ細やかな対応・指導にお役立ていただけます。
詳しくはこちらからご覧ください。
車両管理システムCariotの機能一覧

 

2.日本と海外の違いは?「ながら運転」の事例

2-1.きっかけは「運転中のスマホゲームで死亡事故」

2016年、愛知県内で、小学4年生の男児が、スマートフォンでゲームをしながら運転していたトラックにはねられ死亡した事故をきっかけに罰則が強化された「ながら運転」。その後も、全国各地で「ながら運転」による事故が発生し、今回のより重い罰則・懲役刑が科される改正道路交通法が施行されることになりました。
内閣府は2017年の「運転中の携帯電話使用に関する世論調査」で、ドライバーが実際に行なった「ながら運転」の具体的な内容を公表しました。


画像:内閣府「運転中の携帯電話使用に関する世論調査」から引用

集計結果から、通信機器の発達が「ながら運転」の要因になっていることがうかがえます。

 

2-2.海外での規制・対策の具体的な事例

日本だけでなく海外でも「ながら運転」の検挙は行われているのでしょうか?
調べてみると、国ごとに対応への温度差はあるものの「ながら運転による事故」が発生し、罰則が強化されている事例がありました。

<イギリスのケース>
2017年3月1日から「運転中のスマホ操作は免許剥奪の可能性あり」という内容で、道路交通法が改正されました。
違反すると、

  • 減点6点
  • 罰金200ポンド(約28,000円)

が科されます。
減点が増えると保険料が値上がりします。また、免許取得から2年以内に6点減点になると「免許剥奪」という厳しい罰則が設けられています。それだけでなく、免許取得から2年以上経過しているドライバーでも、3年以内に減点が12になると、免許が剥奪されます。

<アメリカのケース>

アメリカでも、携帯電話やスマートフォンでの通話が原因の事故が増加しており、草の根運動で禁止を訴える声が大きくなっているようです。
ただ、ながら運転で事故を起こしても「よそ見運転」として処理され、50ドル(約5,400円)の罰金が科されますが、全面禁止には至っていません。「ながら運転」を禁止しているのは、カルフォリニア・フロリダ・マサチューセッツの3州のみ。
携帯電話の使用が事故の原因かどうか警察調書に書くことが義務付けられているのは、オクラホマ・ミネソタの2州のみです。
カリフォルニア州では、基本的に「ハンズフリー」での会話は処罰されませんが、2017年1月1日から、端末を手にとって操作することは禁止され、18歳以下の運転者(未成年者)は、ハンズフリーであっても携帯・スマホの使用(音声・画像・文字のすべての使用)が禁止されているということです。

<オーストラリアのケース>

こちらでも「ながら運転」が問題になっていることから、AI搭載カメラで運転中のドライバーの行為を自動的に記録する試みが始まっています。
現在は導入に向けテスト中で、撮影された画像は警察が確認し、違反が判明したときには、232豪ドル(約17,000円)の罰金が科されます。アルコールを摂取していると判明すれば、より重い罰金が科されるということです。
また、メルボルンでは、運転中の「ながらスマホ」は、反則金484豪ドル(約36,000円)です。初心者はハンズフリーであっても携帯の使用が禁止されています。

※金額は、2019年12月5日時点のレートで算出

 

2-3.日本で行われた「ながら運転」の実証実験、その結果は

JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は2016年、運転中にスマートフォンを操作する「ながらスマホ」についての検証結果を公開しました。

検証結果を見ると、メールやゲームアプリを使用したとき、衝突や信号無視・対向車線へのはみ出しといった重大事故を招く危険が高くなり、「ハンズフリーで通話」をした場合でも、停止の遅れ、ウィンカーの出し遅れや出し忘れが発生し、状況次第で事故に結びつく可能性が高まることが明らかになりました。

今回「ながら運転」の罰則を強化した法改正により、事故を起こせば「即免停」という、とても厳しい罰則が設けられましたが、「罰則の強化は抑止につながる」という言葉もあります。
罰則があれば、その点を意識しながら運転するドライバーが増えます。より安全な車両運行のためには必要な法改正だったのではないでしょうか。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
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