ドライバーの残業時間・就業時間管理の必要性とは|残業時間が長くなる原因と適切な管理方法をご紹介

管理業務のデジタル化で実現する効率的な労務管理とドライバーの労働環境の改善

「働き方改革関連法」による2024年度からドライバーの時間外労働の上限規制をはじめ、ドライバーの長時間労働改善への取り組みは急務となっています。
動態管理システムを活用した労務管理と業務効率化のポイントを解説します。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

働き方改革などにより、残業時間・就業時間の適切な管理が求められています。時間外労働の上限規制が猶予されていたドライバーも、2024年4月から対象となりました。

経営者や各部門の責任者、人事部の担当者などに向けて、残業時間・就業時間の管理が重要な理由や残業時間が長くなる要因、適切な管理方法などについて解説していきます。

 

1.残業時間・就業時間の管理が重要な理由

ドライバーの残業時間・就業時間の適切な管理が重要な理由として、主に5つの点が挙げられます。

【残業時間・就業時間の管理が重要な理由】

  • 従業員の健康管理のため
  • 生産性の高さを維持するため
  • 従業員のモチベーション低下を防止するため
  • 従業員の退職防止と就業定着化のため
  • 働き方改革に準じて労働環境を改善するため

残業時間・就業時間の管理は、長時間労働による従業員の健康障害へのリスクを抑制し、高い生産性を維持するために重要です。長時間労働は従業員のモチベーションの低下や離職にもつながっていきます。また、働き方改革関連法による時間外労働の上限規制に抵触しないためにも、残業時間・就業時間の管理の必要性が高まっています。

1-1.従業員の健康管理のため

厚生労働省の資料によると、残業時間や休日労働時間が月45時間を超えると、就業時間が長くなればなるほど、健康障害のリスクが高まるとされています。

残業が長時間に及ぶと、退社後に自宅などで充分に休息をとれなくなり、体力面や精神面での負担が大きくなります。睡眠不足からも疲労が蓄積しやすい状態となり、メンタル不調が起こることも考えられます。

しかし、残業時間・就業時間の管理を適切に行っていなければ、個々の従業員が何時間残業をしているのか、把握することはできません。従業員の健康障害リスクを抑えるために健康管理を行っていくには、残業時間・就業時間の管理が不可欠といえます。

1-2.生産性の高さを維持するため

長時間労働による疲労の蓄積やメンタル不調は、業務の質にも影響します。ドライバーの業務では、運転に支障をきたしたり、瞬時に適切な判断を下せなかったりするなど、ミスやトラブルが起きやすい状態となり、最悪のケースでは事故の要因にもなるなど、生産性の低下を招くことが危惧されます。こうした状況下では、「長時間労働によって生産性が低下して残業時間が増える」「残業時間が増えたことによる疲労でさらに生産性が低下する」という負のスパイラルに陥りかねません。

高い生産性を維持するには、ドライバーの残業時間・就業時間の管理を適切に行い、退社後や休日に休息時間を確保できる体制をとることが大切です。

1-3.従業員のモチベーション低下を防止するため

残業時間・就業時間の管理を行わず、長時間労働が常態化していると、肉体的・精神的負担が大きいことや自分の時間をとりにくいことから、仕事へのモチベーションの低下につながりがちです。ドライバーが意欲を持って業務に打ち込める環境をつくるには、残業時間・就業時間の管理を行い、ワークライフバランスを整えることが重要といえます。

従業員は4大経営資源と呼ばれる「ヒト・モノ・カネ・情報」の一つであり、その中でも企業にとって最も優先するべき資産です。厚生労働省の「令和5年版自殺対策白書(※)」によると、自殺者は2000年代よりも減少傾向にありますが、「勤務問題」は依然として原因・動機の上位(4位)となっていることからも、従業員の1人当たりの仕事の量や就業時間を適切に管理する必要があります。

「物流の2024年問題」が注目されていたように、トラックドライバーを中心にドライバーの長時間労働の慢性化は顕著といえます。

※参照:厚生労働省|令和5年版自殺対策白書|第1章 自殺の現状|1 自殺統計でみた自殺者数の年次推移

1-4.従業員の退職防止と就業定着化のため

長時間労働や休日出勤が常態化するなど、就業時間や休日などの労働条件が悪いことは、転職の主な理由の一つです。

長時間労働によって健康に影響が生じている状態や、残業時間の多さから家族や友人と過ごす時間がとれないなど、プライベートに支障をきたしているような状態では、退職を考える従業員が出てくることが考えられます。また、新たに従業員を採用しても、労働環境の問題は短期での離職を考える要因となります。

従業員の退職を防ぎ、採用した従業員の定着を図るには、残業時間・就業時間の管理による労働時間の適正化が必要です。

1-5.働き方改革に準じて労働環境を改善するため

働き方改革とは、個々の事情に応じた働き方を選択できる世の中を実現するための労働環境の改善のための取り組みをいいます。少子高齢化社会の到来によって人手不足が深刻化するなか、就業機会の拡大と意欲・能力を発揮できる環境の整備、生産性の向上を図ることが目的です。

働き方改革関連法(改正労働基準法)が2019年4月から順次施行され、2024年4月に完全施行となりました。働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の時季指定による確実な取得などの規定が設けられました。また、正規労働者と非正規労働者の待遇の差を解消し、同一労働同一賃金を実現するため、パートタイム・有期雇用労働法が2021年4月に全面施行、労働者派遣法が2020年4月に施行されています。

このうち、時間外労働の上限規制に違反した場合には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が設けられており、残業時間・就業時間の管理を徹底しなければ、大きな問題に発展する恐れがあります。

労働基準法では、従来から1日8時間・1週40時間の法定労働時間を超えて時間外を労働させる場合や、週1回の法定休日に労働させるためには、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結と所轄労働基準監督署⻑への届出が必要です。時間外労働の上限はこれまでは法律では決められていませんでしたが、働き方改革関連法(改正労働基準法)によって、原則として⽉45時間・年360時間の上限が設けられました。臨時的な特別の事情によって労使が特別条項に合意する場合でも、年720時間以内に制限され、月単位の上限なども規定されています。

ドライバーは時間外労働の上限規制が猶予されていましたが、2024年4月から対象となりました。特別条項付き36協定を締結する場合には、時間外労働の上限は年960時間と緩和されていますが、ひと月当たりの上限の規制などが設けられていることからも、適切な管理が必要です。

 

2.残業時間・就業時間が長くなる原因

残業時間・就業時間が長くなってしまう原因として、主に次の4つの点が考えられます。

【残業時間・就業時間が長くなる原因】

  • 従業員1人あたりに割り振っている業務量が多い
  • 業務や作業手順に無駄がある
  • 生活のためにあえて残業をしたい人も多い
  • 管理側の意識が低い・適切に管理ができていない

残業時間・就業時間が長くなる原因として、業務量や作業手順に課題があるケースが挙げられます。このほかには従業員の姿勢、あるいは管理側の意識に問題があるケースもあります。主な4つの原因について、残業時間を抑制するための対策にも触れていきます。

2-1.従業員1人あたりに割り振っている業務量が多い

そもそも従業員の人数に対して業務量が多すぎる状態では、就業時間内に業務を終わらせるのは困難です。仕事に追われるあまり業務効率化に取り組む余裕がないケースもありますが、多少業務を効率化しても就業時間内で対処できない業務量となっているケースもあります。

物流業界においても、人手不足によってドライバー1人あたりの業務量の多さが長時間労働を招く原因となっています。残業時間の短縮を図るには、採用の強化によって人員の補充を図るほか、不要な業務はないか見直しを行うことも大切です。

2-2.業務や作業手順に無駄がある

業務の進め方や作業手順に無駄があると、手間や時間がかかることから、残業時間の増加につながっていきます。

物流業界では、荷待ち時間がドライバーの長時間労働の原因として問題になっています。荷待ち時間とは荷主企業や物流施設の都合によって、ドライバーが荷物の積み込みや積み下ろしを待つ時間をいいます。また、適切な輸送ルートを通っていなかったり、長距離便で片道を空のトラックで走ったりするなど、運用体制に無駄があることも長時間労働につながる要因です。

荷待ち時間の短縮は荷主企業・物流施設側の改善が必要なため、すぐに自社だけで対応することは難しいかもしれません。しかし、渋滞を回避する輸送ルートを選択できるカーナビの導入や輸送体制の見直しなど、就業時間の改善のためにできることはあります。

2-3.生活のためにあえて残業をしたい人も多い

従業員が生活のために率先して残業を行って残業代を得ていることが、残業時間・就業時間が長くなる原因となっているケースもあります。いわゆる「生活残業」と呼ばれるケースです。こうしたケースでは、当日に処理する必要がない業務を行うために、残業が発生している可能性があります。

生活残業を抑制するには、残業を申請による許可制にするといった対策が必要です。

2-4.管理側の意識が低い・適切に管理ができていない

管理側が就業時間の管理への意識が低く、適切に管理ができていないことも、残業時間が長くなる原因となります。たとえば、長時間労働は美徳という考え方を持っているケースや、社内や部署で定時で帰りにくい雰囲気が醸成されているケース、あるいは上司が翌日以降でも問題がない業務の指示を定時以降に行うケースなどは、残業時間が多くなりがちです。

残業時間・就業時間の長時間化を改善するには、管理側が就業時間を適切に管理するとともに、定時での帰宅を促す姿勢を持つことが大切です。

 

3.残業時間・就業時間の適切な管理方法

残業時間・就業時間の適切な管理方法を行うには、残業時間を把握し、残業を申請制にする、人事評価を見直すといった対策が有効です。

3-1.従業員の残業時間を把握しできるだけ均衡をとる

従業員の残業時間・就業時間が長時間に及んでいる状況を改善するには、各従業員の現状の就業時間を確認することが先決です。

そして、残業時間が多い部署や担当者を把握し、担当業務の配分や進め方、スキル、業務スピードなどを調査します。調査結果をもとに、部署ごとの人員配置や従業員ごとの担当業務の割り振りを変更し、業務量の平準化を図ります。ただし、業務の習熟度によって処理するスピードが異なる点に留意が必要です。

従業員の残業時間・就業時間は勤怠管理システムを導入すると、簡単に効率よく管理ができます。

3-2.残業時間や申請方法にルールを設ける

残業を事前申請による上司の許可制として、申請時に残業が必要な理由の記入を必須とすると、生活残業や無駄な残業時間の抑制につながります。残業をいつでも誰でもできる状態では、「翌日以降でも問題がない業務を処理するためになんとなく残業をする」「雑談をしていて定時を過ぎてしまい、残業が発生する」といった状況が生まれかねません。

事前申請制にすることで生活残業の防止につながるほか、急ぎの業務から処理をして定時で退社しようとする意識が働くことも期待できます。また、残業の申請が多い従業員を把握し、担当業務を見直すといった対策がとれます。

一方でノー残業デーは該当の日は定時で退社しやすい雰囲気が生まれますが、他の日の残業時間の抑制にはつながりにくい点に注意が必要です。

3-3.人事評価を見直す

日本では長時間労働が美徳とされていた時代があり、遅くまで残業する従業員を評価する風土が根づいている場合には、定時で退社したくても帰らない従業員がいることが考えられるため、人事評価の見直しが必要です。

まず、業務成績などの客観的な指標にもとづいた人事評価制度を構築します。そして、従業員に長時間労働が高評価につながらないことを周知すると、残業時間の抑制につながることが期待できます。

 

4.まとめ

ドライバーにも時間外労働の上限規制が導入されたことなどから、残業時間・就業時間の適切な管理が求められています。従業員は大切な経営資源の一つですが、長時間労働は転職や最悪のケースでは自殺の原因になることもがあります。そこで、残業時間を抑えるには、それぞれの従業員の業務量を把握して平準化を図る、輸送体制の見直しなど業務を効率化するといった対策が考えられます。ドライバー以外の職種では、残業時間の事前申請制の導入といった対策も有効です。

「こんなことはできる?」「こんな使い方はできる?」など、気になることがございましたら、ぜひ下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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