定着率を高めるための新人教育のポイント

2017.02.22専門家コラム
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■早期退職者の多い運送業界
多くの運送会社様で、「せっかく苦労して採用したのに、すぐに辞めてしまった」、「やっとの思いで採用できたのに、教育期間中に来なくなった」というような、声をよく聞きます。募集・採用もさることながら、なかなか定着せずに苦労されている企業も多いのではないでしょうか。
実際に退職者の在籍日数の統計を取ると、ドライバー職の場合、入社1週間以内に辞める人が最も多く、次いで1~2週間以内となっています。ほとんどの会社で退職者の30~40%が入社1ヶ月未満で辞めています。他業界と比較しても、退職するまでの期間が圧倒的に短いのが特徴的です。逆に言うと、1ヶ月間定着すると、その後の離職率は大きく下がります。
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2~3日で辞めてしまう場合は、自社に合っていない人を採用してしまっていることが問題で、募集方法や面接方法を見直さないといけません。しかし、2週間~1ヶ月で辞めてしまう場合は、初期教育方法に問題があるケースが大半です。そもそも教育にあまり力を入れていないというのは論外ですが、教育期間をしっかりとっているのに辞めてしまうという場合は、教育方法や育成担当者にも問題があるでしょう。

■教育担当者教育の重要性
いくら教育に力を入れても、それを教える側の力量が未熟であれば、不信感や不満に繋がり、やはり辞められてしまうのです。ほとんどの会社で、教育方法は現場任せ、ドライバー任せになっています。しかし、やはり規模がある程度大きくなってくると、教育カリキュラムや教育プログラムを作成し、標準化を図ることが重要です。
皆様の会社でも、「入社暦が長いから」、「お客様からの評価も高く、運転技術も確かだから」、「人柄がいいから」と言った理由で、教育担当者を選定しているかと思います。しかし、どのように教育してほしいのかと言ったところまでは詳しく伝えられていないのではないでしょうか。
例えば図1(教育カリキュラムサンプル)のように、どのタイミングで誰が何を教えるのか明確にしておけば、教え漏れや伝え忘れがなくなります。一人前のドライバーになるために教えるべき項目を細かく整理すればするほど、早期育成が可能になり定着率も高まります。

図1:教育カリキュラムサンプル

図1:教育カリキュラムサンプル

また、添乗指導するドライバー自身のレベルアップも必要です。そのために、図2(ドライバー添乗指導マニュアルサンプル)の『ドライバー添乗指導教育マニュアル』という、教育担当者用のマニュアルを作成し、添乗指導を行っている会社もあります。そのマニュアルには、添乗指導のポイントや研修中に使ってはいけない言葉遣い、運転チェック項目などがまとめられており、適切な指導ができるように工夫されています。さらに、ある会社では、担当者同士で定期的に新人研修のロールプレイングを実施し、お互いに改善点を言い合い、指導レベルを向上させています。

図2:ドライバー添乗指導マニュアルサンプル

図2:ドライバー添乗指導マニュアルサンプル

■添乗指導レポートで見える化を
しかしドライバーと言う職業柄、上述のように教育担当者を教育しても、実際現場でどのように指導しているのか、なかなか把握することができません。そこでポイントとなるのが、添乗指導レポートです。通常は、新人ドライバーが記入して提出するのが一般的ですが、おすすめしているのは、教育担当者と新人ドライバーのどちらにも書いてもらうことです。両者からレポートが出てくることによって、トラック車内という密室で、どのように教育しているのか見えてきます。
例えば、教育担当者からは、「○○さんは覚えもよくて、問題ありません」と記載されていたとしても、新人からのレポートには「△△さんはあまり丁寧に教えてくれなくて困っています」というケースもよくあります。そういった、教育担当者と新人ドライバーとのレポート内容に齟齬があれば、所長や管理職が、両者にヒアリングし対応することで、問題を解消できます。
新人教育はもちろん大事ですが、それと同じぐらい教育担当者のレベルを上げるための教育も重要ですので、ぜひ取り組んでみていただければと思います。

タグ : ドライバー 採用 社員教育 退職 運送
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