10連休が与えた物流業界への影響と今後の配送/車両管理

2019.06.11管理者必読の法律情報
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こんにちは、Cariot(キャリオット)編集部です。

4月27日〜5月6日の “GW10連休”から1ヶ月が経過し、早くも「令和」に慣れてきたという声も聞こえるようになってきましたね。
今回のGWは未曾有の大型連休であることから、各運送業者は事前に対応策を検討・準備していましたが、実際現場の対応状況はどうだったのでしょうか? また、そこから見えてきた今後の物流業界の課題についてもお伝えします。

【目次】
・ドライバー、車両の確保…。GWに向けてさまざまな対応策を検討した運送業者
・駆け込み需要で物量3割増、ドライバーの稼働調整に追われる
・EC市場拡大によりドライバーの人手不足が深刻化、有効求人倍率は3.3倍に!
・改正貨物事業法「荷主対策の深度化」、夏頃にも施行か?
・荷待ち時間の改善など、ますます効率的な配送・車両管理を

 

▪️ドライバー、車両の確保…。GWに向けてさまざまな対応策を検討した運送業者

「運送業者はどう乗り切る?」のブログでもお伝えしていたように、GW前の駆け込み需要により物量の増加が予想される中、ドライバーやトラックの確保など対応に追われた運送業界。
自社だけでなく協力会社へあらかじめ業務を多めに発注したり、自社の配送計画を変更したりするなど、事業者ごとにさまざまな対応策が検討されていました。
しかしながら、昨今のEC市場拡大にともなう宅急便取扱個数の増加などの背景もあり、物量に対してドライバーが不足しているという運送業界自体の課題も相まって、果たして円滑に乗り切ることができるのかという懸念があったのも実情です。

さらには、この4月に施行された「働き方改革関連法」によって、ドライバーの時間外労働規制など労務管理についても考慮する必要があった点も業者が頭を悩ませる要素のひとつとなっていたようです。

 

▪️駆け込み需要で物量3割増、ドライバーの稼働調整に追われる

さて、そんな中迎えたGW。当初から予想されていた通り、連休を見越しての駆け込み需要で出荷が前倒しとなり、飲料輸送を行うある配送業者においては4月の物量が1.3倍に膨らんだといいます。さらにGW期間中も荷主は稼働していたため、ドライバーを完全休業とすることは難しく、交代勤務にすることで乗り切ったようです。

また食品から電気機器、住宅部材など幅広い荷物を扱うとある運送業者でも、得意先によって10連休の対応状況が異なったため、それに連動しての稼働が必要だったと振り返っていました。食品メーカーなどは連休中も工場が稼働する日があったため、出荷も通常と変わらず、それによりドライバーの確保が必要となりました。

一方でドライバーの休日確保を優先に調整した事業者も。海陸一貫輸送を手がける同社では、“働き方改革”を視野に入れ、荷主からの要請があった仕事のみ注力することで、ドライバーの稼働を最小限に抑えたようです。

このように、業務の特性もあって多くの運送業者が“完全休業”には至らない結果となった様子。業者の中では「自社の都合のみで休業を決定できないため、10連休などのまとまった休日設定でなく、希望の日程で休日をとれる制度の方が好ましい」といった声もあがっているようです。

 

▪️EC市場拡大によりドライバーの人手不足が深刻化、有効求人倍率は3.3倍に!

前述の通り、近年のEC市場の伸びには目を見張るものがあります。商品の購入は実店舗でなくインターネットからの方が多い、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。経済産業省の統計によると、以下グラフの通り2017年のEC市場規模(BtoC)は16兆5,054億円に。前年比9.1%増と年々成長を続けています。
 
【BtoCのEC市場規模およびEC化率の経年推移】

※出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

またここ数年のスマートフォンの普及もあり、特に物販分野においてはスマートフォン経由の市場規模が年々拡大しています。2017年の物販分野におけるBtoC市場規模約8兆円に占めるスマートフォン比率は実に35%に達しています。
この “いつ”“どこにでも”欲しいものがすぐ届く、というEC市場拡大がもたらしたメリットの裏側には、“いつ”“どこにでも”すぐに商品を届けなくてはならない、といった運送業者側の業務負担増があることも避けては通れません。
現状、ドライバー自体の人数が大幅に減少しているわけではないのですが、業務量が増加し続ける中で仕事に対応しきれず、事実上「人手不足」が起きているのです。

2018年、トラックドライバーを含む車両運転者の有効求人倍率は3.3倍という高水準に。さらにトラック運送業においては、近年運行管理者の不足も指摘されています。

 

▪️改正貨物事業法「荷主対策の深度化」、夏頃にも施行か?

そんな運送業界が直面している課題を解決すべく、昨年末にはドライバーの労働条件改善策などを盛り込んだ「改正貨物事業法」が成立しています。その改正法の柱のひとつである「荷主対策の深度化」についてですが、この5月末早くも動きがあり、国土交通省は “早ければ夏頃にも施行を目指したい”という意向を発表しました。
具体的な項目としてはドライバーの労働条件改善に向けて各配送業者が法令遵守できるよう、荷主の配慮義務の新設などが定められており、運送業界としては一刻も早い施行が望まれる内容なのではないでしょうか。

今回のGWの対応状況からもわかるように、ドライバーの労働環境の改善には事業者の努力だけでなく、荷主をはじめ元請事業者など取引先を含めての改革が不可欠となってくることを示しているのかもしれません。
 
 

▪️荷待ち時間の改善など、ますます効率的な配送・車両管理を

ドライバー不足がこのまま続き、さらに深刻化した場合、運送業界ひいては日本の物流システムにも大きな影響が及ぼされることが懸念されています。

増加する物量に対してより効率的な配送を行い、ドライバーの負担を少しでも減らすため、今後ますます適切な車両管理が必要となってきそうです。
“配送”といってまず思い浮かぶのは運転業務かと思いますが、荷主庭先での荷待ちや、積み込み・積み下ろしといった荷役作業もドライバーの長時間労働の大きな要因となっています。
この課題に対しても国を挙げて対策が進められようとしており、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正省令案」が今月にも施行予定となっています。こちらでは「運転日報」に以下項目の記録が義務化されます。

・集荷地点
・集荷地点への到着および出発日時
・荷役作業の内容と開始・終了日時

※対象は車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両に乗務したケース

荷待ちをはじめとするドライバー業務の実態を把握した上で、運行管理者による適切な業務フローの作成や、荷主との連携強化などさまざまな改善へ繋げていきたい意向です。
長時間労働が多いと言われているドライバーですが、一連の改善策により労働環境が改善されれば人手不足解消が実現する可能性も考えられます。
“働き方改革”施行もあり、物流業界にとっては、ドライバー、運行管理者共に効率的な業務について考え、実行するよいタイミングとなっているのかもしれません。

 
 
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